ヒミエルストーブ

 メルマガ登録はこちら

とにかくスグに行動して考えるのは後からが一番効果的かもしれません

 
この記事を書いている人 - WRITER -

2月に改造を終えたKD01は過去最高に自分の中では完成度の高い薪ストーブだと思っていました。 そう、北軽井沢の川原薪ストーブ本舗様へ納品するまでは・・・・

基本燃焼は気に入って下さいましたが、またもや山のようなアドバイスを頂いたので、完成目前の2号機を切り刻んで鋭意設計変更を行っています

考えるばかりじゃアイデアが浮かんでこない

アドバイスって言うのは簡単だけど、実行するって本当にハードルが高いと思う。だって、問題の解法を考え、実際に加工して、実験を行い効果の確認をするのは多くの部品と日にちが必要になるから。

小さな事なら1日で終わってしまうけど、構造を変えるとなると既存のルートを変更しなくちゃ駄目なので本当に難しい。

何が難しいって、課題を解決出来るクリティカルな発想なんて思いつく事はまず無くて、今回の事例だと空気の調整機構を無効にしながらも吸気抵抗を減らすと言う何だか訳の分からない課題を設定しました。

 

空気の調整機構を無くすというのは、僕が作るサイクロンストーブの火力調節は空気を絞る事は無くてずっとエアーは全開のまま開け放ちます。

川原さん曰く  「だったら、空気の調整なんか取っちまえば良いじゃん、そしてどうしても調整したい人の為にわざと調整しにくい場所に調整機構を作れば良いのよ」とナイスなアイデアを頂いたのですが、1つのレバーで燃焼室の上下から空気が吹き出す量をコントロール出来る機構を考えるのも大変だったのに、ほとんど完成したストーブを切り刻んで新しい機構に作り替えて求める機能を発揮するなんてかなりハードルが高いんです。

 

いくら机に向かい鉛筆を手に取りブレストを行っても、全てを満たす解法が浮かんで来ません。 求める完成形は分かっているんですが、ゴールに至るまでの距離が遠くて完成形のイメージが全く湧いてこなかったです。

そんな時はいくら考えても答えなんか絶対出ないので、手を動かして現物を確認しながらアイデアを練って行くと結構良い感じに仕上がることが多い。

 

なので今回は分解から始まり、本体底部の2重化と外気導入の製作は図面なんて書かずに、フリーハンドで思いつくまま作って見た。頭で考えるんじゃ無くて、手元の現物を改造するので必要とするタスクが明確だし、イメージが空想より具体的に湧いて来るので製作に迷いが生まれにくい。

 

勿論、サンプルをつくって思うように行かず失敗の事も多いけど、簡単に試して見て駄目だったらスグに作り替える位のスタンスだから行き詰まる前に軽やかに方向転換しちゃいます。

 

そして出来上がりはこちら!

だんだかスッキリシンプルになりました。 この上に遮熱板が付きます。

正面から見るとこんな感じになります

 

一番最初に作った物と比較して、ずいぶんとスッキリした形に進化しました。最初の写真はこちら。今となってはダサいと分かるけど、失敗の経験が有るからこそ最適な形状が分かるので考えるよりも先に手を動かして行動する事が如何に大切かよく分かります。

 

まとめ

こうやって形状が完成しても、燃焼実験で狙った性能が出るのかは別の話なので実験するまでは安心できません。

希望する完成形はスグに思いついても、望む性能を実現する具体的な解法は誰も持っていないのでいつも手探りで探っています。 毎回、時間を掛けて実験を行い良いと思った方法も、望む仕様が変わってしまえば無用の長物になるので全てゴミ箱へ直行です。

 

見学に来て下さったお客様が「いつも改造ばかりしていますね」とお話しして下さった事が有りますが、本当は改造なんてせずに「これはウチの製品で完璧だよ!!」と言いながら売ることに専念したいんだけど、自分が納得出来ない物をお客様の元へ届けることなんて絶対出来ないから今でも終わりの無い改善を続けています。

 

一見時間の無駄に思えるこの経験が、後になって別の製品を作る時に役に立ったりするので疎かには出来ません。失敗した経験の方が後になって役に立つ事が多いから、この工程こそが僕の強みかも?

 

 

 

この記事を書いている人 - WRITER -

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Copyright© himiel stove , 2019 All Rights Reserved.