ヒミエルストーブ

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薪ストーブの吸気温度を測定する

 
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ついに、やっと念願の工場に展示するKD01が僕の手元に届きました。 自分で作っておきながら届いたと言うのもなんだか変な表現だけどヒミエルストーブを開発してお客様へお届けする事約5年。

その間ずーっと良いなー、何だか楽しそうだなーと思いながらせっせとご注文の製作に忙殺されていました。

工場へ見学に来て下さったお客様へ見て頂く展示物も無く、最初に作って錆びとホコリが積もった初号機をちらりと見てもらい後は脳内イメージで補正してもらうしか方法が有りませんでした。

それがですよ、遂に自分の元へ来たのだからテンションも上がると言う物です。

今まで工場で使っていたSD01はスパイラルダクトで作った自作煙突だけど今回は新宮煙突を選択し、これにアジャスターを接続したらお客様へ納品する一番煙突の短い施工パターンと同一になります。

そして今まで顧客と同じ環境を備えていなかったので不具合が発生しても再現テストを行う事が出来なかったけど、これからは思う存分実験や日常使いが出来るので非常に楽しみです

 

そして自社製品に火をともして真っ先に行った実験は吸気温度の測定です。

冬季に冷え切った空気を直接燃焼室へ吸気すると温度が下がってしまう事を避けるため、海外の製品は予熱回路を設けている物が多いです。そしてKD01も余熱回路を備えているので巡行運転に突入した時一体空気が何度まで昇温しているのか測定してみました。

測定は熱電対を本体に接触しない様に設置しながら空気の温度を測定します。最初はケーブルをアルミテープで止めようとしたけど糊が一瞬で焦げついて外れてしまったので上手い事収まる位置へ折り曲げて固定しました。

結論から言えば巡行運転に入ると

上側からの吸気が約220度

下側からの吸気が150度

熱は上の方に滞留するので上の方が熱いのは良くわかるし、本体底面を通過する空気もしっかりと予熱されている事が分かって良かったです。

室内気温が25度の空気がダイレクトに燃焼室へ投入されるより250度と150度に予熱された空気の方が効率的であると言うのは誰でもイメージできると思います。

そしてガラスドア近辺に薪を移動して燃焼を観察すると、上下から勢いよく空気が吸い込まれ強力にエアカーテンが作動していました。

一見当たり前の光景に見えますが、上下の流量バランスが悪ければ下側ばかり空気が流れたり、反対に上から大量に吸気されるのだけど絶妙の上下バランスで良い感じに吸気されます。

ではどのようにしてバランス状態を作るかと申しますと、空気の噴出口隙間を何度も試作して最も良い数値を探り当てます。

 

この様にお客様へ納品する製品では実施する事が困難だった各種計測をこれからは思う存分出来ると思うと非常にテンションが上がります。

いやー自分で作っておきながら言うのも何ですが、面白いし愛着が湧いてくる予感がヒシヒシとします。

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