煙突の重要性を蓄熱ストーブで再確認

薪ストーブを設置するのはイコール煙突を購入する事と同義に近いと思っており、それは今でも変わりありません。
お客様へ納品するストーブは全て2重煙突を使用しているので、シングル煙突を使用した燃焼の記憶と言えば10年以上前初めて購入して工場へ設置したスキャンの光景をうっすらと覚えているだけで殆ど忘れておりました。

しかし、今回蓄熱ストーブ遊びを行う過程で煙突の違いで燃焼が大きく変化する事を実感できる事象に直面。
まず最初に作った蓄熱ストーブへ接続したのは、工場にいつから保管しているのか分からない120mmのシングル煙突を使ってストーブを燃焼したのですが、とにかく燃焼室に炭が大量に堆積してしまい薪の追加に困りました。
これってドラフト圧の弱いシングル煙突の特徴の一つなのだけど、しっかりと燃焼しない炭がたくさん窯の中に積み上がり、本体の昇温が遅いのがストレスになります。
対策としてマキタの充電ブロアーを使用して強制給気を行えば良いじゃないの?と思い立ったので早速実験してみると、おそらく煙突の排気抵抗が大きい事が理由で薪投入口から炎が一部逆噴射しちゃいました。
屋外なので炎が焚口から逆噴射する事は問題無いし、炭が良い具合に燃えてくれるので不満は無いけど理想を言えは自然の力でもっときれいに燃えて欲しい。
こういう違和感を感じた時は新たな知見を得る大きなチャンスなので、早速次の機会に煙突を交換して燃焼の違いを確認してみる事に。

まず最初に行った実験はシングル煙突の直径を120mm→150mmへ変更しました。
すると、ブロアーで給気しても焚口からのバックファイヤーが無くなったので、この燃焼面積に対して十分な煙突の直径は150㎜だと推測。バックファイアが無くなったけど理想を言えば強力なドラフトで勢いよく燃焼してほしい所なんだけどシングル煙突ではドラフトが弱くて火力が今一つ。
本体をアツアツ状態に仕上げてからサウナを楽しみたいので、弱火だと火焚き時間が長くなってしまい非常にストレスを感じるので強烈な火力の発生は必須事項。

そして最後に行きついたのがいつも使っている新宮の2重煙突。
やっぱり上昇気流の力がシングル煙突と全く異なり、ストレスを感じないドラフトが心地よい。
そして煙突に手を触れるとちょっと熱かったので、煙突内部が高温になる事で強力なドラフトを発生していると感覚的に理解できました。
結論を言えばお遊びの蓄熱ストーブと言えどもストレスを感じない燃焼を実現するには2重煙突を使った方が楽なのは間違いありません。
しかし、イベント出店や強風の時など蓄熱ストーブを運用する場所によっては軽いシングル煙突の方が便利な事も事実なので臨機応変に使用する煙突を交換すれば良いかと言うのが今のところの結論。
煙突って一見何の変哲もないただの筒に見えるけど、性能を発揮するためには必須のアイテムだと改めて実感できたことが今回の収穫です。