煙突から煙が抜けず火が付かない問題を解決する
とある日の就寝前、今シーズン納品したお客様の奥様よりSOSメールを受信しました。内容はどうやら煙突内部が詰まってしまい煙突の接続部分から煙が漏れ出すのでお掃除ロッドは何を選べばよいでしょうか?と言う物でした。
えーっと、確か9月に納品して本格的に焚いたのが11月からだとすれば僅か2カ月で煙突が詰まってしまったと言う事なのか、若しくは何らかの不具合が発生しているのか運用期間が短いので煙突が詰まる理由をメールだけでは判断できません。
もしかして単に煙突が詰まっているのであれば、運用に勘違いが発生している恐れが十二分にあるからもう一度現物を前に操作説明を行った方が良いし、どのような状態なのか視認する方が勉強になると思ったので翌朝奥様へ直接訪問のスケジュールを確認しました。
全国的に今年一番の寒気が流れ込んでいるので、1日でも早く使いたいと思っていらっしゃるだろうし、アマゾンで注文しても旦那様が在宅する日までは灯油ストーブで過ごさなくてはならないので早めの問題解決が必要かと思った次第です。
現場確認
挨拶を終えひとまず煙突トップを外して見ると、煙が抜ける部分が見事に全てタールで閉塞していました。ススとタールでトップ自体の重量がずっしりと重たかったです。
煙が抜けない問題の原因はここでした。
僅か2カ月程度の運用でここまで完璧に塞がれたトップは初めて見るので壮観です。
旦那様へトップの掃除をお願いして、その間に僕が屋根に上って煙突を行い手分けして掃除に着手。
物凄い量のタール状ススがこびりついています。
このフワフワしたススにタールが混じってフレーク状になっているのは燃焼温度が低くて煙の発生が多いサイン。
煙突内部にも、予想通りこんもりと煤が溜まっているから一番下にごみ袋を巻き付け煙突ロッドを利用してお掃除しました。
今回煙突内部に溜まっていた煤は大きなラーメン鉢1杯くらい。 掃除で集めたススを撮影しお掃除の度に履歴を残して比較検証する事をお勧めさせて頂きました。
写真の上のロッドはアマゾンで約1万円の中華製
下は英国製で袋も含めたセットは約10万円。
一番大きな相違点は中華製の方がシャフトが柔らかくて煙突内部をかなり蛇行します。両方使ってみて、個人使用であれば中華製でも十分機能は果たすと思いますが製品の信頼性を確証できないので僕は英国製を使います。
だって、遠隔地の出張で壊れたりすれば取り返しのつかない事になるのでリスクヘッジの為にも信頼性の高い道具を選びます。
操作のレクチャー
掃除の後は口頭で炊き方を説明しても伝えきれない事が多いから操作説明を行いました。
煙の抜けが悪い状態でなれてしまったのか、焚き付けの小さな炎をなるべく奥へ奥へと移動するという初めて見る操作にびっくり。
調子が悪い状態で何とか対応されていたのだと推測します。
そして巡行運転に入った温度でいつもと同じ操作をして頂くと、遠目で見ても即刻判別できるくらいの太い薪を1本燃焼室へ投入。
そう、それなんです~
沢山の熾火が燃焼室に有って太い薪を2本投入してダンパーを絞ればゆっくり燃焼します。
しかしメガ薪を1本だけ投入しちゃうと熾火が無くなった時に薪が燃えなくて大量の煙が発生するので、燃焼室の底面に作った熾火の量に対応した太さの薪を投入して欲しいと考えてます。
ですので、早速理想的な太さの薪を作るべく薪割を開始。
割って使って頂ければ何の問題も有りません。
全ての作業が終わり炉台が暖まった頃、定位置の主がささっと移動してリラックス。
まとめ
短期間で煙突内部や本体に煤が溜まるのは燃焼温度が低いのが一番大きな原因になります。
なので、本体が暖まるまではガツンと昇温させ熱エネルギーをため込んだ状態を維持する操作感覚を身に着ければどんな種類のストーブも快適にお付き合いできると思います。
今回は比較的近いお客様だったので素早く訪問できたけど、遠隔地のお客様へのサポートはビデオ電話や僕があらかじめ動画を作ってリンクを送信できる準備をしようと思う良いきっかけになりました。
この様に、僕のスケジュールに都合がつけばお困りごとの解決に協力させて頂きますのでご遠慮なく連絡頂ければと思います。