ヒミエルストーブ

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ヒミエルストーブの核心

 
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世の中に僕が欲しくなる様な、暖かくて薪の消費が少なくて、お料理とか多彩に使える薪ストーブが無かったので自作したのがヒミエルストーブです。

自己評価じゃバイアスが掛かっているので、お買い上げ頂いたお客様へ感想を伺ってみると、とっても暖かくお料理に大活躍していると満足頂いているので少なくとも大間違いではなさそうだ。

じゃ、世間に売っている物と何が違うのかと言うとロケットストーブの構造を鉄の箱にインストールしています。

個人的には耐火レンガを積み上げたロケットマスヒーターが好きなのですが、インストールできる住宅に制限があるし、いきなりレンガで作るにはちょっとハードルが高いと考えます。

韓国のイベントで見たロケットマスヒーター、確かバッチボックス型と言って2次燃焼空気を供給するマスヒーターの進化形です。

 

薪ストーブの動作原理

従来型薪ストーブ

図だけ見れば何の事だかさっぱり分からないかも知れませんが、一番重要なことは煙突内部が暖かくなった浮力で燃焼を継続します。

煙突内部が冷めてしまうと暖まった空気の浮力が落ちてしまい、吸気する力も弱くなって良く燃えません。

そして、煙突内部を保温する為に触媒非搭載の薪ストーブでは燃焼エネルギーの約4割を煙突から屋外へ放出していると言われています。

どんなデザインでも、煙突内部を保温した浮力で空気を引っ張るという根本的な作動原理は一緒で、燃焼空気を絞って薪の燃えるスピードを遅くしようと調整しても、煙突内部が暖かいほどに高速で暖気が煙突から屋外へ放出されてしまうのです。

 

全く個人的な考え方だけど、2次空気や3次空気の供給にも懐疑的です。

予熱した空気を燃焼室に供給すれば煙が燃えるのは間違い無いが、それは薪を投入して燃焼のピークまでは正常に作動しても、燃焼がピークアウトしておき火に向かった状態では高温を維持すべき燃焼室を冷却してしまうと考えます。

ロケットストーブ

凄い簡略化した絵だけど、ロケットストーブは概ねこの様な形になっています。

燃焼室で発生した炎は、2重断熱された部分で600度~800度まで昇温することで煙りすら燃やし尽くします。

2重断熱された部分をヒートライザーと呼びますが、ヒートライザーを高速で駆け上がった燃焼ガスは一旦本体の天井に衝突して下向きに方向転換する事で本体の外皮から放熱します。

燃焼ガスが直接煙突から放出されるのでは無く、外側の鉄板を駆け下りることで沢山熱を暖房に利用出来るのです。

燃焼→昇温→放熱 と各パートを独立した機構が担うことで無駄の無い放熱を可能にしています。

 

また、従来型薪ストーブは煙突の引く力がエンジンでしたが、ロケットストーブは高温になったヒートライザーがエンジンとなるのでロケットストーブから燃焼ガスを押し出す構造になります。

ヒートライザーから押し出す力が強いので、何も対策を取らなければ早い速度で暖気は煙突から排出されます。

 

ヒミエルの着眼点

ロケットストーブの構造は素敵ですが、さらに改良できる余地があると考えます。

1つ目は積極的に乱気流を起こし、常に高温状態を作り出す。

2つ目は空気の流れを遅くしてゆっくり燃える様にする

そして、本体で蓄熱する事により排気を絞っても燃焼を維持する。

 

この着眼点から製品を作り出すことにより今まで自分が作っていた従来型薪ストーブでは不可能だった、緩やかな燃焼と、高温発生を可能にしました。

 

文章よりも映像の方が分かりやすいかと思ったので動画をどうぞ。

動画の前半は排気を絞っていないので、高速で炎がヒートライザーを駆け上がっています。燃焼室にある薪もゴーッと炎が後ろへ吸い込まれて行きます。

煙の出ないロケットストーブもこの燃焼パターンが多いです。

しかし、この状態だとせっかく薪を燃やして作った熱が高速で煙突から排出されるから勿体ないし薪の燃焼が早いです。 だから、屋外へ排出せずにヒートベンチや巨大な躯体に熱をため込む方法が主流なのかも。

 

そして、動画の後半は排気を絞りった状態です。

特許を取ったサイクロン機構により、可燃性ガスが渦を巻きながら緩やかに燃えることが分かると思います。

温度測定をしてみると、勢いよく燃やすよりも排気を絞りゆっくり燃やす方が燃焼温度が高かったです。

そして、ヒートライザーを超高温に保つ事で煙を全て燃やすからこの様なゆっくりした燃焼状態でもほとんど無煙です。

 

なにげ無く燃焼動画を見ることが出来ていますが、耐火ガラスにススが一切付着していない事にお気づきでしょうか?

煙が発生すると、耐火ガラスがあっという間に真っ黒になってしまうけど、排気を絞っても煙が出ない性能をインストールしています。

 

自分の知っている限りこの様なアプローチで作られた薪ストーブは他に見たことがありません。

ゆっくり薪が燃えて、とっても暖かい薪ストーブは冷え込む工場で仕事に没頭しても炎が鎮火する事も無く、1日中暖房に活躍してくれます。

 

見たことの無い性能なので、想像する事は難しいかも知れませんが薪ストーブに詳しい友人は全員性能を認めてくれます。

そして、今の考えは注文が有っても忙しくなると、作る事ばかりに忙殺されて性能向上を探る時間が減ってしまうから量産するつもりは全く無くて、今年は10台も作ればそれで御の字だと思っています。

現時点での最高も、来年には更に良い物を見つけるかも知れないし、僕の得意な事は実験を手がかりに性能向上を発見できる発明力が差別化の源泉なので、売ることに目がくらみ強みを忘れる事が無いようにします。

 

今は自分が最高だと考える製品を選んで下さったお客様とじっくり向き合って行く事が今の僕に丁度良い。

 

 

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