ヒミエルストーブ

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KD01堂々の完成

 
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KD01は半年前にシェイクダウンした時から、煙が発生して消えないと言う持病を抱えていました。

そう言う不具合は勿論放置出来ないから、原因を推測し、気が付いた所から片っ端に修正を重ねやっと問題が無くなったと思っていました。

そして、少しずつ良くなって来たのでいよいよ完成かと思い込んで気に入っていたのですが、SD01と一緒に焚いて比較するとやっぱり煙の発生量が多い事が気に食わない。

問題発生の根本的原因が何か全く分からないまま、焚き付けの改良を行い効果の実験を行っている時に問題解決のヒントを発見してしまったのです。

(結論)空気量は多めで作り込む

写真は焚き付けの改善を行い、点火直後の昇温している写真です。

煙突からの煙も少なく、水蒸気が立ちこめて理想的な立ち上がりだったのですが、この後更に暖めようと細目の薪を追加するとモクモク煙が立ちこめて来ました。

またもや気に食わない状態が再発し、困ったと思ったのですがよくよく観察してみると何だか炎に勢いが無いと言うか、ヒートライザーへ吸い込まれる速度が遅いと感じました。

そして、何となく扉をほんの僅か開けて見ると・・・ 凄い勢いと伴に炎がヒートライザーに吸い込まれ暫くすると煙も消え去ったのです。

この光景をぼんやりと見ていると突然頭の中に閃光が走って、問題発生の理由と改善方法のイメージが降ってきました。

煙が消えない本当の理由はズバリ

空気量が不足していたのです

KD01は外気導入対応型で、本体の底から吸気して燃焼室の上下を通り2系統で燃焼空気を吸気しています。

空気の吸い込み口から燃焼室までの空気の通り道は長く、そして折れ曲がりが多いから管内抵抗も大きいと考え、空気の通り道を吸気口の1.6倍に設定していたのですがそれでも空気が不足していた様です。

 

絶望的に空気が不足していたらスグに気付くのですが、燃料を沢山投入した状態でのみ煙が発生するので空気量が不足していると認識するに至りませんでした。

改善プラン

空気が少ないと仮説を立てたら、次は改善の方法です。

吸気は燃焼室の上下2系統で行っており、燃焼室上部に配管している経路を改造するには本体を切り刻まないとアクセス出来ないので、改造が容易な下部分を抜本的に見直そうと思いました。

しかし、吸気口自体の大きさが小さいのか、空気の流れる配管が細いのかと言う不具合発生原因の切り分けが全く分かりません。

不具合原因の分からない時は手間が掛かる事は後回しにして、とりあえず手間の少ない方から着手するのが王道だから先ずは吸気経路の改造に着手しました。

改造は大胆に本体を切って既存の部品を廃棄するから、失敗しても後戻り出来ません。

配管口径を拡大すると言ってもどの位大きくすれば良いのかは分からないので、とりあえず合計の配管口径が吸気口の2倍位になるように設定しました。

その他にも、配管経路の角を取ったり思いつく限りの細工を施して改造作業は終了しました。

試運転

改造前まではこの状態の時が一番煙の発生が多くて消えるまで時間が掛かっていました。

実験では炎の勢いが明らかに違うし、煙の発生量が桁違いに少ない。

過去と全く違う燃焼風景にテンションが自然と上がって行く事を押さえられません。

勿論実験は扉をしっかりと閉めた状態で行いました。

そして、本体の温度も十分に上がった所で火力調節を行い巡航運転に突入します。

勢いよくゴーッと音を立てて炎が吸い込まれて行くロケットストーブとは異なり、緩やかに薪の端から燃焼して行く、私が理想とする燃焼を作る事にやっと成功しました。

 

まとめ

シェイクダウンから約半年を掛けてやっと満足の行く製品に仕上がりました。

空気の量が少ないと気付いた事がラッキーだし、配管口径をどの位で作り込めば良いのか分かって来たことが今回得た財産です。

新年の段階でほとんど違和感が無い状況まで改善していましたが、今回の改造と比較すると効果の大きさは段違いです。

 

オーダーも既に数本入っているのですが、納品前に自分の追い求める完璧な状態に仕上げる事が出来たのが本当に嬉しい。

 

今まで散々失敗を重ねた結果、違和感を検出するセンサーと改善の引き出しが増えたのは間違い有りません。 

やっと心から満足の行く製品に仕上がったので、今シーズンの残りはメイン暖房に活用します。

 

最初の計画では空気の供給は燃焼室の上側1系統だったのですが、去年の夏に川原薪ストーブ本舗、川原さんの助言を素直に聞いて燃焼室下側に空気の通り道を追加しておいて本当に良かった。

自分の思い込みに囚われアドバイスを聞いていなければ、今回の成果も得ることが出来なかったです。 川原さんに感謝!

 

 

 

 

 

 

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