SD01煙突横出し実験
ロケットマスヒーターを搭載しているヒミエルストーブは本体の後ろから煙突を立ち上げるので、設置には前後に長いスペースを必要としていました。
KD01では、壁面からの離隔距離を合算して本体正面の炉台も含めるとおおよそ畳1枚分の長さが必要になります。
そんな前後に長い距離が難しい場所への新たな提案が煙突を本体の横から出すことにより前後長を約400mm短縮する事が出来ます。
そして煙突横出しの記事をアップして程なくしてから、お客様からの「SD01でも煙突の横出しは可能ですか?」とお問い合わせを頂きました。
個人的感覚では大丈夫なはず…多分?
勝手な想像でお話する事は出来ないので、久しぶりにSD01を分解改造して検証する事にしました。
煙突の横出し
本当は5月の中旬には改造したかったのですが、製作の途中だったKD02のテストを最優先していたのと、ご契約頂いているKD01の書き直しに近い図面改訂に多くの時間を費やしてしま後回しになってしまいました。
先ずは本体の側面に穴を開けます。
時計で15分の位置だと都合が悪いので10分の位置に開けています。
完成した展示品に大穴を開けるのは若干気が引けるのですが、最近は慣れてきたのか躊躇無くカットしちゃいます。
KD01は四角形なので改造は簡単だったけど、SD01は本体が丸いので加工が面倒です。
特に本体の側面に穴を開ける横出し実験は、テストが終了すると煙突取り出し口を外して元に戻せるようフランジをネジ止めするので溶接してハイおしまいと言う訳には行きません。
ここから先は作業に没頭していたので写真を撮る心の余裕がありませんでした。
そして、実験の為に所定の位置にセットしてテストをします。
SD01は煙突の根元から断熱すると効率が向上するか実験を行った状態で断熱材を巻き付けています。
しかし、これはあくまでも実験状態なのでお客様の元へ届ける姿は横に展示しているKD01の格好になるのでご安心下さい。
そして点火して順調に薪を追加して行きます。 ガラス越しに見える炎が美しい。
個人的には火がしっかり見えないと面白く無いですね。
いつも通り、巡航運転に差し掛かると煙も消えて静かに連続燃焼します。
熾火になっても綺麗な燃焼です。
断熱材の白色が見えたままだと格好悪いので、とりあえずスパイラルダクトを半割にしてカバーしてみた。
まとめ
SD01は煙突の取り出し面が後ろ、横、関係なくしっかりと燃焼する事ができます。
もともと後ろに飛び出していた煙突が
横に移動したので奥行きが約300mm短くなります。
お問い合わせ頂いたお客様へは「煙突の排出方向はどちらも対応可能です」と自信をもってお伝えできるのが良かったです。
KD01に比べ空気の流れる経路がシンプルなSD01ガラスが曇りにくく、適当に放置してもしっかり燃焼するし、放熱面積も大きいから広い場所を暖めるのに向いていると改めて感じました。
全てを実行することなんて不可能だけど、このように僕自身検証が必要だと感じたことは素早く改造して効果を確認する一連のフローを回す技術は、過去に経験した底なしの失敗経験が役に立っているのは間違いないと思います。