煙突横出しモデルの完成テスト
今回は初めて煙突横出しバージョンの納品版が完成しました。
従来では煙突は本体の後ろから取り出していた関係で、前後に広いスペースが必要になっていましたが煙突を本体の側面に設置することで前方への出っ張りを抑える事が出来ます。
完成の領域
横出しバージョン初めての燃焼テストでしたが、気負いは全く有りません。
このKD01タイプについては構造が完成しているので、従来のように不具合を検出する為の燃焼ではなく、塗装の焼き付けと燃焼状態の最終確認が目的なので小割の焚き付けを準備してしっかりと燃焼させれば作業が終了します。
テストの目的その1 <塗装の焼き付け>
メーカーによって異なりますが、耐熱塗料は塗装して乾くと表面は硬いけれども、加熱をすると塗料中のシリコンが溶けて猛烈な煙が発生します。
煙の臭いもあるし、しばらく白い煙が発生するので基本的に出荷の前に工場で1度加熱して塗膜を硬化させた状態で出荷します。
以前、塗膜を硬化させようと思って暖まったストーブの上に部品を置いたのですが、1回目の加熱で塗膜が柔らかくなる事に気が付かずに触っちゃって塗装がはがれてしまったのも良い経験です。
そんな時は、冷めるまで待って塗装の段差を紙やすりでカラ研ぎして再度塗装します。
テストの目的その2 <燃焼確認>
いつものように耐火煉瓦の上に焚き付けをセットします。新品の燃焼室はこのような状態。
ダンパーを全開の状態にして焚き付けを行います。
点火してしばらくすると、上昇気流が発生するのでゴゴッーと音がするのでドアを閉めます。
煙突が本体の横から出ていても燃焼には全く問題が有りません。
何故なら、問題が出ない様に内部構造を設計しているからです。
焚き付けのから巡行運転に入るまでは本体内部に熱が溜まっていないので、薪の太さにより異なりますがこのように煙が発生します。
焚き付け状態の燃焼動画はこちら。
透明の窓越しに燃焼する炎が良く見えます。
薪の置き方、乾燥状態で変わって来るけど基本的に上手に使えば驚くほど窓は曇りません。
巡行運転に入って大きめのゴロ薪2本を投入した後ダンパーを少しだけ絞ってスロー燃焼させます。
この操作を行うと、煙突からの排熱が減って本体により多くの熱が蓄積するので、一見ゆっくりと燃焼しているように見えるけど大きな炎で運用している時より高温になります。
普通の薪ストーブだったら、こんなゴロ薪をゆっくり燃やそうとすれば猛烈に煙が発生してえらいことになります。
しかし、このようにほぼ無煙状態でスローな連続燃焼を維持できます。
約5時間のテストを終えた状態がこちら。
ガラスが全く曇ることなく、最後は炭がすべて灰になって燃焼テストは完了しました。
まとめ
本体の横から煙突が出ているなんて斬新なデザインだけど、本体の後ろに回らなくてもダンパーの調整が出来るので結構便利なんです。
冒頭にも述べたように、KD01は構造が完成しちゃったので煙突の取り出し方向に関わらず安定した性能を発揮します。
ご注文を頂き12月に納品する知人には「ずっと改造しているから、もっと待った方が良いかい?」と言われましたがもうこれ以上改造する部分が見当たりません。
後は如何に細部まで気を抜かずに仕上げて行くかを考えています。
後はお客様の反応が楽しみです。