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オーブンをしっかりと昇温させるには?

 
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今までいろんな薪ストーブを作り込み、ここ4年くらいは2種類を作り込む事に落ち着いてますが昔の記憶が薄れてきて失敗で得た知見をど忘れしてしまう事が増えてきました。

 

海外の薪ストーブビルダーとメッセージをやり取りする中で、彼が私の構造を真似するので宜しく~と言って来たから「良い物はまねする事で世の中に広がって行くのでご自由にどうぞ」と返信すると暫くして試作品がSNSにアップされました。

彼の製品はザ、ロケスト見たいな感じでシンプルな全開燃焼が基本の構造になっており最も高温になる部分はセラミックの遮熱板を設けて保温にパーライトモルタルかモルタルを打設しています。そしてオーブンは本体出口の煙突に追加で取り付ける様になってました。

僕の率直な感想は「とろ火になった時の状態がとても興味がある」です。

熾火になって上昇気流が弱くなった時に排気管から積極的に熱量を取り出すと燃焼が不安定になる傾向があるので非常に興味があります。

彼の製品を確認する事は出来ませんが、私が5年前に試作したもこのストーブも燃焼室とオーブンが離れており高温の燃焼ガスがオーブンの周囲を通過する事で内部が暖まるので煙突に追加するパターンに近い構造となってます。

試作が完成して温度特性や燃焼の感じを実験した後、オーブンの昇温まで意識が向かずにそのままお蔵入りしてしまったので今となってはどのような性能だったのか記憶が全く残っていませんので久ぶりに燃焼のテストを行ってみようと思います。

 

過去に作ったクリーンバーン機種でもオーブンはしっかり昇温しましたが、暖かい空気は煙突に抜けて行く原則には抗えないのでしっかりと天板が昇温した状態を維持するのは結構大変だったと記憶しています。

オーブンを使うからには食材の表面がパリッとしなきゃテンションが上がりませんが、その様に仕上がる状態を維持するのはちょっとだけ構造に配慮が必要だと思っています。

なにも思い付きや想像で話しているのでは無くて、全て過去に作った経験から導かれる情報でしてこちらのキッチンストーブは扉以外の5面が排気に接触する様に作りました。

最初は側面と上下の4面だけ高温ガスに接触する構造だったのですが、思ったようにオーブンの温度が昇温しないので背面にも煙が流れる様に改造する事でしっかりと昇温する構造になったのです。

 

この経験からオーブンを作るのであれば扉以外全て熱源に接触する事が望ましいと言う結論に至り、そのコンセプトは今もしっかりと設計に活かしてます。

 

ストーブの見た目も大切だけど、ここ最近私がイメージするのは薪を燃焼して発生した熱量を100%として、各パートにどれだけ配分するのかと言う熱の配分比率を気にするようになりました。

シングル煙突を使うと沢山熱交換が出来るので省エネです!とは全く言えなくて薪から発生した木質ガスをしっかりと燃焼させるには高温環境が必要になるし、あまり熱を奪い過ぎるとドラフトが下がったり木酢液が大量発生するので何事も余裕を持ったアプローチが肝心です。

私は本体出口で排気温度が200度位になる様に意識して設計しており、なるべくシンプルな形状が一番長持ちすると考えますので結果は10年後くらいに判明するでしょうか。

 

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