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煙突比較実験を終了した考察

 
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煙突の比較実験を行った結果は、いつに書いたか忘れてしまいましたが私自身が主張していた意見を補足してくれるデータを確認出来たと判断してます。

 

単に導入コストだけを考えるのではなく、煙突の違いによりランニングコストが大きく変化してしまいシングル煙突を導入すると2重煙突での施工と比較して最小1.5倍の薪を1シーズンで使用します。

薪1立米4万円の薪を5立米購入すると20万円、しかしシングル煙突を使用すれば1.5倍の30万円。その差は10万円で10年使うと100万円の費用差が発生するので初期投資の費用差は賄える計算になります。

 

余裕がある方なら気にならないかもしれませんが、私たちは時間の制約を受けながら生活しているので薪の消費が早いと言う事は薪を棚に並べて、お部屋に搬入して、薪を追加して、灰を廃却する一連の運用サイクルに費やす時間と作業が同じ量だけ増えてしまう事も認知する事が大切だという考えです。

 

端的に言ってしまえば運用に手間が掛って面倒なシステムを構築すると同義だと思っています。

しかし、これは私の個人的な意見なので費用も手間もふんだんに持ち合わせ大量の薪を消費する事に違和感を感じない人もいらっしゃるのは事実。その様な趣向を否定する事は出来ません。

ですので、1方向だけの考えを押し付けるのではなく両方のメリット、デメリットを理解した上で納得のゆく運用を行えばそれで良いのでは無いでしょうか。

 

文章を書きながら自分の中でモヤモヤしていた考えがまとまって来ました。

計算式を用いて物理法則を子細に並べ数字の上での有利を選択するのであれば2重煙突を推奨します、しかし人間は数字だけで判断できる生き物では有りません。 大切なイニシャルコストや感情によって判断の結論が異なる事は私も含め誰だって有るのでどちらを選択しても気分よく過ごせるのであればそれで良いじゃ無いでしょうか。

 

と言う訳で、長々と文章を書いて至った結論は、ユーザーが気分よく過ごせるのであれば何だっていいんじゃないかな?

 

ただし、私自身の性質として物理的に最良を追求する気質が強いと自覚していますので、自分の好みを第一にお勧めするスタンスに変わりはございません。

 

 

今回の実験で3日間ずっとKD01を燃焼させてデータを取りましたが、とても性能が仕上がっていると感じました。自分が作ったと言うバイアスを考慮したとしても沢山のストーブを見た中で自分の目指す性能をしっかりと押さえています。

複唱になるのですが、薪ストーブは炉内を流れる空気の流れが遅ければ遅い程、燃焼スピードを遅く運用できます。そして空気の流れを遅くするには2つの方法が有り世界中のほとんどのストーブは吸気を絞ります。

逆の見方をすれば排気を絞った運用が出来ない構造になっているのです。

通常の薪ストーブはビックリするくらい排気ダンパーの開閉でドラフト圧が変化するし、いい状態だと思うダンパー開度に調整したと思っても薪の燃焼がピークアウトすると途端に燃焼異常となり、ダンパーを絞り方向で運用すると非常にピーキーな性質でした。

 

工場でノイローゼになるくらいその辺りの仮説を検証を繰り返し、自分の中で一切の違和感を感じなくなるまで小さい事も疎かにせず全て改善したので、現在は納品しても一切不安はございません。

そうは言っても、本体が大きいし暖房能力も高いので全てのお客様にfitしない事も事実。その場合市販品のコンパクトな製品をお勧めするので自分の考える良かれを押し付けるのではなく、顧客が求める生活を実現するお手伝いをさせて頂くと言うスタンスを維持出来ればと思ってます。

 

今回は北軽井沢から川原さんが実験のお手伝いにお越し下さり本当にありがとうございました。

ヒミエルストーブにて、シングル煙突と二重断熱煙突の比較実験に着手(3)

 

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