KD01内部パーツの製作
先シーズンまでは気持ちだけ早くストーブを作らねばと急いでいたので、組み付けと部品製作を並列処理しながら組み付けを行っていました。
お料理に例えるならば、調理と下ごしらえを同時進行で行う事と一緒と言う事で、振り返ってみると非効率な工程を長い間改善もせずに継続しちゃったのだけど、作っている当時は自分の事を冷静に見る事が出来なかったので違和感を感じながらも製作に勤しんでいました。
ところが、数年ぶりに注文の合間が生まれて約2カ月KD01の製作をする事が無く、その間工場の改善や出張などまとまった自由時間が無ければ経験できない事を経て今はフレッシュな気持ちで製作に取り掛かってます。
写真は本体内部に隠れてしまう上側の吸気パイプです。
以前ですと全周を半自動溶接機で接合した後にサンダーで削っていたのですが、TIG溶接を行う事で溶接強度の向上とサンダーでの研削時間短縮を狙って今回テストしてみました。
納品された状態の黒皮でTIGを行うと、酸化被膜の影響で溶接不良になる為フラックスを塗布するかあらかじめ黒皮の除去が必要になるので作業時間の短縮化になるかと言えば微妙なのだけどキレイな仕上がりに繋がるので作っていて気持ちが良いです。
この形状にも意味が有って、右側と左側の寸法が異なるのはファンネル効果を狙い沢山の空気を効率よく燃焼室へ導くために漏斗の形状を採用してます。
また、本体の内部に空気予熱機能が搭載されている為、燃焼室に供給される空気の温度は250度まで加熱されて供給する事を可能にしています。
最近薪ストーブのお勉強の為に、国会図書館のデジタルアーカイブを検索して70年前に発刊された効率的なかまどを構築する書籍を読み込んでいるのですが、効率的な燃焼を構築する為には燃焼室の温度を高く保つ必要性を指摘しており
1)吸気の予熱
2)かまどの入口に扉を取り付けて冷たい空気を制御なしに取り込まない
など、私が感覚的に感じている事を文章にまとめて認知できるのでとても面白く読み込んでいます。
日本人が生活の中に薪をつかうライフスタイルは終戦前後から大きく変化してしまったので、日本語で書かれた薪燃焼に関する技術を調べるのであれば、国会図書館のデジタルアーカイブは非常に有効なので興味を持たれた方はお勧めします。
話は横道にそれてしまったけど、部品製作は途切れることなく継続を行いおおよその準備が完了したので明日から組み付けに着手しようと思っています。