ヒミエルストーブ

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ヒミエルストーブの改善レビュー

 
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毎年の恒例行事になっているのですが、ヒミエルストーブのエンジンであるヒートライザーの大幅な改良を今年行いました。

そして根本的に素材を見直しだだけでなくステンレスで製作した従来モデルのお客様へも製品寿命の向上とより一層の利便性向上を狙い新たなバージョンアップを行いました。

去年の改良が最高地点だと当時は考えていたのだけど、顧客からフィードバックを得ることで着目するポイントが毎年変化する中で最適な形状が変化してゆき

2023年はサイクロンの運用を停止して耐火レンガを2枚ヒートライザー内部へ設置する方法を考案しました。 サイクロンを使用する事で狙った以上の高温が発生して本体の劣化を早める可能性があったからです。

そして、今年のテーマは熱による本体の摩耗に対し、いかに対抗するかと言う項目が大きな課題でした。 いかに熱に強いステンレスと言えども顕微鏡レベルで観察すると僅かに摩耗は進行するし、逆に熱による摩耗に耐えることの出来る素材でリーズナブルなものと言えば耐火レンガやムライト棚板くらいしか思いつきません。

そして一番大切なポイントになるのだけど、工業用の巨大な加熱バーナーの修理などを行った経験を元にヒートライザーの摩耗を注意深く観察すると、熱に強い素材で有っても熱の方向が変化したり熱源が衝突する場所は劣化が加速度的に進行する。

別の表現を使えば

熱が炉壁側面を流れて行くだけではさほど摩耗は進行しません。

しかし、炉材に熱がぶつかる部分は驚くほど摩耗するのです。

そして、その摩耗に抗う事の出来る金属は驚くほど高価なので製品に採用するのは現実的ではありません。

ではどうすれば熱の衝突による摩耗を押さえつつ、可燃性ガスを効率よく燃焼する構造を既存のストーブへ導入するのか?

そんな誰も考えた事ないだろうし、答えなんて分からないのでとにかく思いついたコンセプトを実験して確認するのみ。

しかし、都合よくアイデアが湧き出してくる事も無く数か月ぼんやりと考えている中で3つの課題を解決したいと思うようになりました。

それは、

1)熱が衝突する部分は交換式とする

2)最も劣化が進む部分を保護する

3)そして導入コストはミニマムに

思いつくままに色々な素材を使用してテストを重ねる事数か月。

結論から申し上げますと、耐火煉瓦の採用が最もコスパが高いと判断したのでしばらくの間、工場の展示品で実験を繰り返した後過去のお客様へご案内したところ3人の方が興味を示してくださり導入されました。

そしてSD01を使用されているお客様から部品を変更したご感想を頂きました。

結論から申しまして、この改変で、出力がマイルドになったと言うよりは、よりパワーアップしたような気がします。何より、燃費が格段に良くなって、とても助かっています。ありがとうございます。

初め、ヒートライザーの入り口が狭くなることで、点火が難しくなるのではないかと心配したのですが、全くそんなことはありませんでした。

また、耐火レンガを入れることで、昇温時間が長くなるのではないか?とも 心配していましたが、これも全くそんなことはなく、むしろ今までよりも昇温時間は短くなったような気がします。ま、これは、僕らのヒミエル運転技術が、向上したせいかもしれませんが。

さらに、オーブンの温度が上がりにくいというお話でしたが、ウチでは、むしろ、オーブンの温度も以前より上がりやすくなったような気がします。簡単に200度を越えるようになりました。


以上の様に操作面でポジティブな効果が有るだけでなく、耐火物で金属表面を保護する働きも加味されるので製品寿命の延長も可能となり良い事しか見当たらない良い結果となりました。

個人的な意見を申しますと、陶器系の素材でキャスタブルを使用するアプローチもあるのですが、加熱と収縮を繰り返すと表面から微細なクラックが進行して崩落が始まります。長いタイムスパンで観察するとキャスタブル素材と言えどもいつかは破損してしまうので何らかの補修が必要になってくる。

その場合の補修容易性まで考えて設計するのが大切なのだけど、長期間使用したデータが必須になるので解決策を見つけるのは私の場合と同じで容易ではない。

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