ALC外壁の壁抜きは難易度が高い
今週のスタートは淡路島にてストーブの設置を希望されているお客様の現地下見。
まだ居住されておらず、工務店がリフォームを行うよりも先に塗装屋さんが外壁や屋根の塗りなおしを終えたタイミングでした。
そして工務店さんの希望は屋根を抜かずに壁抜きでの煙突施工。
しかし、壁材がALC構造なので現場を注意深く調べる中で解決すべき問題をいくつか検出しました。
一つ目は屋外の煙突保持金具を固定するアンカーの強度が信頼できない問題。
ALCって軽石みたいなもので新品ならまだ強度を信頼できるんだけど、設置から40年以上経過しているとアンカーを打ち込んだ一帯が風化による強度不足で脱落する事があるのです。
現場は雪は降りませんが、漁港が近く風が強く吹き付ける場所なので台風まで考慮するとアンカーを打ち付けるだけではALCボードが持たないと判断。
工務店さんと相談の上、寸切りボルトを壁面貫通して壁材を金物で挟み込む事にしました。
これ以外強度を保つ方法を思いつかないし、あとは床面から鉄柱を立てるくらいしかないので良いアイデアだと思ってます。
問題その2
現状では眼鏡石を設置できる場所が無い問題。
写真左側の壁は過去のリフォームで既存より160㎜室内側へ飛び出しており、現状では壁面へ煙突を貫通する事の出来るスペースが無い事が判明。
窓枠より上に配管出来ればいいのだけど、その場所には軒が有って煙突を通すことが出来ず対策を考える事数分。
導かれた結論は、過去のリフォーム工事で取り付けた付加壁を撤去してスペースを確保する事に。
これは初期プランで、今はもっと形が変化したんだけど軒先から2M煙突を上げる必要が有るのだが、住宅の構造上屋根からブレスを取ることが出来ないし固定金具が大きくて重たくなるから運搬設置が大変。
おそらく足場を組んで、応援を呼び2人掛かりでチェーンブロックなどを使用して固定しなくては駄目だと想像してます。
あと、煙突費用もネックなんです。
図面の、約1Mの横引きや45度、そして煙突固定金具を合計すれば煙突に関係する費用が高騰しちゃうのだけどすべて購入部品代なので私自身でコントロールできる部分が無い。
以上まっすぐ屋根抜きで施工した住宅と比較してハードルが高い現場なのだけど、この現場をどのように納めていこうかな?と考えることが好きなのでいい感じの部品を作ってしっかりと対応できればと思ってます。