良い感じに仕上がる予感
酷暑の中ネジを巻いてお盆の間に新作を完成したかったのですが、全く時間が足りませんでした。
今日で本体の外観がおおむね出来上がったのですが、これから天板やドア、遮熱板、煙突の取り回し、塗装などやり残し満載なので完成は今月末頃になりそうです。
作る途中で感じる、良い感じに仕上がる予感
今まで丸型のロケットストーブを作った経験から、今回のストーブは今まで以上に良い感じで仕上がりそうだと期待しています。
何が良いかと言うと、立ち上がりが早く、空気の調整が簡単で、コントローラブル。特に冷めた状態から立ち上がる速度が速いと予想しています。
その為に、はっきり言って手間は今まで以上に必要でした。
こんなに手の込んだ設計の薪ストーブを作る事が出来るようになったのかと嬉しくなる位、
溶接の順序が複雑で組み付けの順序を間違うと完成させる事が出来ません。
また、川原薪ストーブ本舗、川原さんのアドバイスを取り入れ、シングルハンドルで上下2カ所からのエアー供給システムは本当に難しかったです。
外気導入機構を備えながらも、燃焼空気で吸気をプレヒートしつつドアの上下からエアを供給って、海外製の市販品では砂型に溶けた鉄を流し込んでつくるから簡単かも知れないけれど
私は市販の鋼材を利用しての製作なので寸法やスペースの制約が大きかったので設計はとても悩みました。
あくまで今回は実験用の試作だからこれ以上良い形状も勿論有ると思うけれど、ひとまず思うがままを形にしてみた。
以前に比べ格段にハードルの高い仕事ですが、完成に近づいて行くにつれ良い経験を積む事ができるチャンスだと感じます。
ヒズミを前提とした設計
鉄板とステンレスは熱による膨張率が違うので、長時間使用していると溶接部分にクラックが入ります。
これは設計段階からあらかじめ分かっているので、回避する方法は何パターンか有るんですが私はクラックが入っても性能に影響が出ない対策を施しています。
ひび割れを見込んで、最初から溶接せずにフローティング構造にしたり、列車の連結装置の構造を取り入れることも考えたのですがどれも構造が複雑になるのと、
熱によるヒズミの動きが読めないので、ヒビが入っても問題無く使える様に対策を施しているので十分長期間の使用が可能だと思っています。
なんでも最初は時間が掛かる
しっかり図面を見直したつもりでも、毎回うっかり間違いが有って、今回も間違った鋼材を手で切ったり、今まで経験が無いプレス曲げを金型から作って試して見たりしたので予定より大幅に時間を超過してしまった。
ヒズミの制御や、燃焼空気の流路、空気の流れる口径の決定等自分の責任で決断しなければいけない場面に毎日出くわします。
そんなとき以前の僕ならネットで検索して参考になるような物を探していたけれど、ネット上にある薪ストーブの情報は、製作に関してはさほど役に立つ物が見つからないし、困った時に人のアイデアを見ちゃうとそっちに考えが吸い寄せられて自分でオリジナルを考えなくなるから、なるべく人の物は見ないようにしています。
もっと言うのなら、「考える」のでは無く「思いつく」感覚を大切にするようにしています。
考えても良いアイデアなんて浮かばなくて、ぼんやりと何となく思い浮かぶコンセプトをタイミング良くキャッチする感覚とでも言いましょうか。
全くの新作だから、作る時間も考える時間も長く、朝の始業から終業まであっと言う間です。
歩みが遅いからと行って焦ってしまうと、溶接の順番を間違えたり、ヒズミを押さえる段取りをすっ飛ばして痛い目に遭うから、なるべく冷静さを保って慎重に作業を進めています。
まとめ
今週日曜日から5日間、広島で開催されるオンドルワークショップに参加するのでしばらくストーブ製作はお休みです。
まだ残った作業は多いけれど、完成に近づいてきたのが嬉しいです。
本体は2重構造だから、普通の薪ストーブと比較して鋼材も溶接材料も手間も約2倍必要とするので、お買い上げ頂くお客様にお得な商品に仕上がれば良いなぁ。