今年モデル、外観の完成
6月から設計をキックオフした今年モデルの外観がやっと出来上がりました。
7月に材料が入荷した後、川原式空気導入方法をレクチャー頂き、急遽外気導入の設計変更を実施したから燃焼実験を行うまで感想はお預けだけどひとまず形になってヤレヤレです。
模型との比較
ベニアで作った模型と比較すると、足のデザイン以外ほとんど一緒と言う事が分かると思います。
足は直線を多用するより、曲線でデザインのガス抜きをする方が良いとのアドバイスを取り入れこんな形になりました。
本体の下にはしっかり遮熱板を装備しているので、長時間の連続使用でも床が熱くならないよう設計しています。
今回の見せ場
写真の中央にある木が付いたレバー。
これ1本で2系統の空気を操作出来ます。
外観の写真からは全く分かりませんが、燃焼用空気と、エアカーテンの両方をたった1本の棒でコントロール出来るので操作が超簡単。
最初はオーソドックスに2本棒でコントロールする事を思いついたのですが、絶対1本の方が良いと川原さんが勧めて下さったので採用しました。
もう一つ言えば、エアカーテンに付け足しで燃焼用空気の増設も強くお勧めして下さり、最初は手間が増えることと設計が閃かなかったので尻込みしていましたが、これも新しい事に挑戦する良いタイミングかと思って作って見ました。
未経験の設計や、手間が増える作業を断る理由はいくらでも並べる事が出来るけれど、面倒だけど新しい事に挑戦できるチャンスはありふれているのでは無く
偶然タイミングが合った時にしか手が出せないので、とにかく試して見る事をモットーにしています。
今回の製作で言えば、材料入荷のタイミングで川原さんが工場へ来て下さった事が奇跡かな。
おまけに、単に商品を右から仕入れて左へ設置しているだけじゃ無く、自分で設計してロケットストーブを作ったり、こだわりの施工を納品するプロフェッショナルのアドバイスは、結果はどうであれ実験する価値は大きい。
空気導入は高気密住宅対応で外気導入出来る様に作ったので、正面は何も無くスッキリ。
大きさ
突起を除く大まかな大きさは
縦90cm
横40cm
奥行き60cm
なので、去年作った丸型と比較して体積比で約2/3縮小しました。
大きさをコンパクトにしつつ、40cmの薪を燃焼室に投入出来る様に燃焼室の形状を大きく取ったり、オーブンの大きさを従来と比較して大きくして利便性の向上を狙いました。
外寸を小さく、部品点数は増加することで、部品が入るスペースが無くなる中、無理なく設計上の矛盾を解決する事が本当に難しかったです。
ぱっと見た目は四角い箱形の薪ストーブだけど、内部は通常の薪ストーブ2台分の鋼材が使用されています。
鋼材が2倍と言う事は溶接を走る距離も倍以上で、あっという間に溶材が消費さて行きました。
そしてスペースの制約上一度でも組み付け順序を間違うと組み付けることが出来ません。
燃焼の核心
そして、特許取得済み「サイクロンチューブ」を搭載することで高温の発生と保温を可能にします。
本体が一度暖まれば、木から出るガスを触媒を使う事無く綺麗に燃焼し、燃焼した熱を本体の外側で放熱するので、従来と比較して薪の消費が遅くて放熱量が多い理想に近い薪ストーブとなるはず。
数年で朽ちてしまい、数万円の交換費用が必要な触媒等を使わなくても700度以上の高温を1時間以上キープできる技術を採用しているストーブは他に知りません。
高温発生と、浮力の増加、内部圧力の上昇、ダンパー操作の重要性など去年の実験で得た豊富なデータが新作製作に役立っているから、経験って財産ですね。
まとめ
未だ数点部品の製作が必要だけど、来週にはテストを行いたいと思います。基本的な燃焼構造は去年モデルと一緒なので不安はありません。
データロガーと熱電対をセットして、数時間に及ぶ燃焼温度の測定を行い新作の性能を探って行きたいと思います。
ここまで来るのに約3ヶ月、全くの新作は本当に時間と手間が掛かります。
単に鉄の箱で木が燃えるのでは無く、ガス化した可燃性ガスをサイクロン燃焼させるロケットストーブの実力は如何に!
テストでは必ず改善すべき点が見つかるので、不具合の発見も楽しみです。