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外気導入の失敗と原因究明

 
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僕の本職は製造ラインの改善作業です。改善作業と言っても、メーカーが納品した機械装置が故障したので元に戻すだけの部品交換から

世の中に参考になる物が一切無い状態からスタートして、実験を何度か繰り返しアイデアが目的と合致するのか探りつつデバイスを開発したり本当に多岐にわたる業務をこなしています。

そして最近つよく感じるのが、物作りって簡単に成功するより、失敗した方が得る物が格段に多いので、失敗の原因が何かと想像する事がとても楽しいです。

外気導入口の失敗

これからの高気密住宅に対応した外気導入を作るべく、何日か費やして完成した外気導入は完全なる失敗に終わりました。

何が失敗かと言うと・・・・抵抗が大きくて焚き付けの時に空気を吸い込まずに鎮火してしまいました。

実験をするまでは完璧に作ったつもりなのでテンションも高く2重煙突を接続して焚きつけを行いました。しかし焚き付け後まもなく火が消えてしまい煙突から煙がもうもうと立ち込めてしまったのです。

予想と正反対の結果に私は呆然とし、しばらく煙を眺めていました。 頭の中はwhy?why?の無限ループで回転します。

鎮火するのは酸素が不足している→扉を少し開けると全く問題無く燃焼する→扉を閉じると鎮火してしまう。

そして至った答えは「外気導入の吸気抵抗が大きすぎて使い物にならない!」 以上。 

せっかくよかれと思って作った形状が失敗すると少し凹むし、対策を考えなきゃ行けないのですがここからが物作りの楽しくなってくる局面です。

 

廃棄前提の比較実験

今回作った外気導入部品は使う事が出来ないので廃棄するんだけど、どうせ廃棄するんだったら一体何が原因で失敗したのか、どこを改善すれば問題が解決するのかの実験材料として有り難く切り刻んで行きます。

先ず最初は、最初の穴をアルミテープで塞いで、右側面に同じ大きさの穴を開けて見ます。そして、結果は全く効果無し。

では、アルミテープを外して穴が2つだとどうなるのか確認すると、これまた効果無しだった。

この段階では、そもそも今回作った形状自体に問題があるのかも知れないと考えつつも、改造は更に続けます。

穴が2つでも焚き付けが鎮火してしまうので、次は煙突の真下に穴を1つ開けてみました。するとどうでしょう、全く問題無く燃焼するじゃないですか。

 

この実験から得られる知見は、煙突下部のキャップ脱着を簡単にする為にえぐった凹みが、スムーズな空気の流れを邪魔していたと言う事ですね。

こんなの誰も教えてくれないから、自分で比較実験をするしか有りません。 本当に簡単なようで難しいのが魅力だな。

 

今回の失敗をふまえて、更に簡単に製作できて吸気抵抗の少ない形状を作って行きます。

まとめ

今回は外気導入口の失敗と原因究明についての記事ですが、薪ストーブを作り始めた最初の頃からずっとこんな感じで

とにかく試作→失敗→原因の推測→改善→効果の確認の無限ループを回しています。

 

下の写真は何年か前の最初に作ったスクラップの寄せ集めストーブです。 この頃は薪ストーブに関しては全くの素人で本当に何も分かって無かった。

それが数年すると特許も取得してこんなストーブを作るまでになったのです。

 

 

 

スクラップで実験していた初期の頃はネットの情報を検索して参考情報を得ようとしていたけれど、ピンポイントで欲しい情報をゲット出来る事なんてほとんど無いし、

人の情報に頼ってしまうと自分自身の問題解決能力が育たないので、最近はほとんど見なくなりました。

 

鉄工所の技術があれば、図面や現物を用意すれば簡単にコピーを作る事が出来ると思います。

けれども、何か1つでも壁にぶつかった時に問題の因果関係を解決する事が出来ないので結局困るのは自分自身になるんじゃ無いかな。

 

その点、歩みは遅くとも比較実験や改善作業で知見を深めて行った経験は僕の大きな財産です。 

 

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