夜間を想定し6時間放置しておき火が残っているのか?実験part2
先週、夜間薪を放置して朝まで炭火焼が残っているかの実験をしましたが前回は4時間しか時間が取れなかったので、改めて6時間放置する実験を行いました。
そして新たな運用方法も気付く事が出来たので良い実験でした。
6時間放置実験
まず初めに、いつも通り焚きつけを行います。焚きつけのコツは燃焼室の1番奥で一気に焚きつけをスタートすることです。
間違えて燃焼室の広いところで焚き付けを行うと、猛烈に煙が室内側へ逆流するので注意が必要です。
そして、新開発のバイパスダンパーを開くことにより焚き付けの時だけ通常の薪ストーブと同じ様なスタートが可能になるのです。 高温部分を避けて、200度台の場所にダンパーを設置することにより長寿命化する事を狙っているので自分の中では画期的なコンセプトだと思っています。
焚きつけから30分経過してもうすぐ巡航運転に入ります。 巡航運転に入るとほとんど無煙燃焼するから締め切った工場でも苦になりません。
巡航運転の第一陣がおき火になった頃を見計らい、時計の下にある2本の広葉樹をおき火の上に投入し後は放置して炭火がどれだけ持つか確認します。
9:30分、実験スタート
燃焼室へ薪を投入した後は、ダンパーを閉じる事でゆっくりと燃焼していきます。いつも通り一旦ヒートライザーが温まると煙はほとんど出ません。
スタートして1時間15分でほとんどおき火になりました。ここからどれだけ炭火がもつのかこれがまさに今日の実験の目的です。
実験から4時間が経過。写真では分かりにくいですが、まだまだ目視で炭を確認出来ます。
実験スタートから5時間が経過しガラス越しに見る燃焼室の中に炭の炎は見えず、もう火が鎮火してしまったかと思ったので、初めて燃焼室のドアを開け中の灰をほじくると、灰の中から炭火が見えたので再度灰を炭の上にかけてドアを閉じました。
スタートから6時間が経過し、もう炭火焼は完全に鎮火したものだと思って灰の中を探すと驚く事にまだ炭火が残っていました。
炭に息を吹きかけると、赤く燃えるので小割にした焚き付けを炭の上に乗せ再度点火を行いました。
ほんとに少しですが熱が残っていたので、あっという間に焚き付けは完了して巡航運転に入ります。
2重煙突を接続しているので本当に良い感じで炎が吸い込まれて行きます。
結論
夜間を想定し6時間放置しても炭火は残る。(但し樹種による)
燃焼室に目一杯薪を詰め込むなど特別なことはせず通常の運用でおき火は残りました。
夜寝る前に薪を投入すると、朝方ほのかに予熱が残り炭火で楽な再点火が出来るんじゃないかな。
実験を通して気づいた新たな運用方法
去年までは、いかに薪をゆっくり燃やす事ばかり考えてましたが、燠火がどれだけ残るか実験する中で本体がたくさん蓄熱することに気が付きました。
約250kgの本体が、一旦温まると大量の熱を蓄え、火が消えても長時間緩やかな輻射熱を本体から連続して発生するので、冷めると減った分の暖かさを薪で補うような形で運用すれば薪の消費が去年に比べて格段に減りました。
ガンガン燃やさず、本体に蓄熱するように薪を燃やして、減った分の熱を継ぎ足す感じかな。
具体的な運用方法は、寒い朝1番にがつんと温度を上げ、暖かくなるお昼には、中位の薪を数本投入しておき火になるまで放置します.
寒くなってくる夕方に再度焚き付けを行い、お部屋を温めます。
このように、重量を活かし本体へ沢山蓄熱出来ることを利用して、薪を燃やさなくても予熱でお部屋を温め、心地よい暖房空間を作る運用も便利かと思いました。
もちろんいいことばかりではなく、デメリットとしては一旦温度が下がると焚き付けの時に煙が発生するので、煙の発生を抑えなければおき火になってから小さな巻を連続で投入し高い温度を保ち続ければ煙の発生は少ないです。
このような実験は、お客様から頂いた薪ストーブのお問い合わせに対する回答を実験する中で気が付きました。
すべてに答える事は不可能かもしれませんが、自分が気づいていない新たな視点を獲得することができることが多いので、今後も可能な限りお客様の質問には答えていきたいと思います。