ヒミエルストーブ

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KD01堂々の完成

 
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KD01の外観は9月に出来上がっていました。 しかし、最初のテストから気に食わない問題が発生してました。

その問題とは…暖まっても煙が消えなくておまけに臭い。

完成品テストは煙の発生状況が燃焼状態を確認するバロメーターなので、工場内へ煙を解放して実験します。KD01の外観が完成して、期待を抱きながら燃焼実験を行うと、いつまで経っても消えない微かな煙が異常に臭かったのです。

一体何が原因で煙が消えないのか? 因果関係が全く分からない中、仮説と実験を繰り返し改善が完了したと思い込んでいました。そう外気導入が完成するまでは。

外気導入が成功して、やっと全てのネガティブを潰しきったと安堵した瞬間、鼻につく忌まわしき悪臭と煙が僕の頭上に立ちこめていたのです。

消えない煙

ショールーム見たいに煙突の先を屋外へ設置していたら気付かなかった、煙が消えない問題。

煙は可燃性物質で、温度、酸素、滞留の3要件を整えてあげると確実に燃焼するので、当初は燃焼温度向上と燃焼室の形状を改善してました。

具体的には炎が良く滞留するように渦を発生させたり、炎の通り道を一旦絞って集中するような形に変更したのです。いずれの改造も実験すると良い具合に煙が薄くなって行ったので、てっきり問題を解決したと思い込んでいたのです。

 

そして、またもや出くわした不具合案件。

こんな事は普通に発生するので馴れてしまった今では焦ることも無く、ゆったり落ち着いて不具合の理由を考え簡単な事から実験して行きます。

高温と滞留の改善は既にしているので、後は酸素が少ないと言う事が原因かと推測し、ドアを僅かに開いて燃焼させると・・・・煙が消える!そして、閉めると・・・煙発生!

なーんだ、原因は酸素が不足しているのか~

一番最初に疑うべき理由なのに全く視線が向かず、真の原因とは別の場所を必死で改善していたと一瞬にして悟りました。

 

では、酸素が不足していることは判明したのでどの部分が原因なのか発生要因を探します。外気はの導入経路は

  1. 外気導入口
  2. 空気が流れる道
  3. 空気が燃焼室へ吹き出す吹き出し口

この3つが理由として考えられます。 しかし1,2は溶接構造で今更ながら変更は気軽に出来ないので一番簡単に検証できる3番から検証する事にしました。

どうした物かと思案していると、ふと下の空気吹き出し口は分解掃除が出来る様に作っていたことに目が行きました。 脱着式だから、ワンタッチで取り外せる→スグに実験が出来る。

こんな簡単な事でも、問題意識を抱えて解決の方法を探す視点を持たなければ気が付きませんでした。 そして空気吹き出し口を取り外して実験してみると。

 

今までの煙が嘘のように消え去り、理想的な燃焼状態になるでは有りませんか!

たった空気の吹き出し口を外すだけでこの差って。 本当に繊細なんだと改めて認識しました。

燃焼の炎も力強く、今まで以上に暖かさを放ってくれます。

まとめ

この後、吹き出し口の形状を変更し、大量の空気を燃焼室内へ供給出来る様に改造して、今日お昼から6時間連続燃焼を行い効果を検証した所全く臭い煙の発生はありませんでした。

やっと問題発生の原因を叩き潰した様なのでホッと安堵のため息がでました。

 

これで寒い真冬も安心して工場で運用出来ます。 最初にガツンと温度を高くして、おき火の上に太い薪を置くと緩やかに連続燃焼して行く理想的な薪ストーブの完成です。

 

普通だとこんな不都合な話は公表しなくて、粛々と改造を行いウチのは高性能だぜぃ、シャッキーン。

見たく発表すれば良いのですが、物作りのリアルって失敗と改善の繰り返しで良くなって行くので、良いことばかり発表しているって何だか変だし、自分にとって不都合だった事もしっかりと公表する事が大切だと考えるのでこれからも開発ストーリーを記事にして行きます。

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