2019/03/06

効率の良い薪ストーブは立ち上がりが難しい

 

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去年の秋までヒミエルストーブは焚き付けが非常に不安定でした。

神様の気まぐれのように、1発で上手く行くこともあれば、焚き付けが消えて工場中真っ白になる位煙が逆流する事が多かったです。

ヒミエルじゃ無いですが、僕が昔作ったクッキングストーブでも同じ様に煙の逆流問題が発生しました。

改良前の失敗動画です。最初は火が付いても、本体の隙間から煙がお部屋に吹き出す典型的な煙逆流の症状ですね。

 

 

これがヒミエルの場合になると、先ずは焚き付けの火が小さくなって吸気口から煙が立ちこめて

 

炎は消え去り、燃焼室は煙で真っ白。もうどうすることも出来ません。

仕方無くドアを開けると、部屋に煙が大量に逆流。

長野県のお客様曰く、実際にお部屋でこれが2回以上連続で続くと、火を付けることに恐怖を覚えるそうです。

不安定な物を納めてしまい本当に済みませんでした。

今は問題解決済みで、この様な事は起こらないからご安心下さい。

 

一旦暖まれば本体が作り出す浮力で全く問題無い煙逆流問題は最初の頃何が原因なのかさっぱり分かりませんでした。

 

薪ストーブの燃焼する原理は煙突内部の暖まった空気による浮力が燃焼室を負圧にして外から空気を吸い込むことなので、とにかく煙突内部の空気が暖まることが最優先です。

解決方法の一番簡便な方法は、煙突にバーナーを突っ込んで直接暖気してあげると問題が解決します。

 

動画を載せたクッキングストーブは、煙突の途中にバーナーを差し込む部品を取り付けることにより煙の逆流は無くなりました。最初は単に煙突が出るレイアウトを、断熱構造に変えて貰って、バーナー挿入口を追加。

たったこれだけで煙の逆流が発生しないと言う事は、どれだけ煙突内部が暖まっていることが大切なのかが分かると思います。

 

 

通常型の薪ストーブは燃焼室の上方向に煙突が有るので、燃焼で発生した熱がダイレクトに屋外へ放出される構造です。

だから、焚き付けの時は煙の逆流が起こりにくいけれども一旦本体が暖まるともの凄い勢いで屋外へ熱を排出してしまうことになる。

一旦まとめれば

通常型薪ストーブは、スタートは簡単だけど、熱効率は悪い。

 

そして、ロケットストーブは発生した熱を180°方向転換して、室内へ放熱した後煙突から熱を排出するので熱効率に優れる。

しかし、焚き付けの時は小さな炎で発生した熱を本体に吸い取られてしまうので、煙突の先に到達する頃には空気が冷め切って煙を煙突の先まで押し上げる浮力が無くなってしまう。

特に、熱効率の高い、放熱面積が大きいモデルは焚き付け時の熱を本体があっという間に吸い取ってしまうので焚き付けには苦労します。

一旦まとめると

ロケットストーブは熱効率に優れるけれど、立ち上がりに弱点がある。

 

私の勝手な想像だけど、焚き付けが簡単なロケストは熱効率が高くないと考えます。

なぜなら、焚き付けの弱い炎でも煙突先端まで浮力を維持出来るだけの熱が残る位、熱を溜める容量が少ないと考えるからです。

特にシングル煙突だと、煙突内部の温度低下が大きくて排気抵抗が大きい。

その抵抗に打ち勝つ為には浮力を維持する為に暖房に使う熱を煙突から屋外へ排出しなければ駄目になる。

 

 

また、流体圧力の基本制御形はメーターアウト回路だ。

僕の知っている限りの薪ストーブ制御はメーターインで行っているが、薪が燃えるに従い発熱量が変化して行くのでメーターイン回路では一定の出力が維持出来ない。

だから、ヒミエルストーブの火力調節はメーターアウト回路で行い一定速度の燃焼を可能にしている。

見学に来て下さる薪ストーブに詳しい人が、今まで見たのと全く違う燃焼ですね。と感想を言って下さることが多いのですが制御方法が従来と異なる事が理由なのです。

 

油圧、空圧制御と同じ様に、浮力による圧力コントロールをメータアウトで制御すると驚く程高性能になる。

そして、強力な浮力を維持する為に特許取得済みのサイクロン機構が役に立つと言う訳です。

 

今回のブログは専門的過ぎて何の事やらさっぱり分からない人の方が多いと思いますが、薪ストーブを作り込むって理論が先にあってこそ作り込む事が出来ると考えています。

沢山テストして、結果オーライとかじゃ無く、最適を求めるにはちゃんと理論を知る事が大切なので高校物理の本を購入して勉強したり熱設計の本で知識を得たりしました。

 

 

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