ヒミエルストーブ

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ヒミエルサイクロンストーブの歩み

 
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今週の木曜日、今年の新作に向けて材料も入荷し順調に作業が進んでいます。

そんなこんなで、アマゾンフォトに溜まった過去写真を振り返ってみるとロケットストーブを本格的に作り出したのは僅か3年前からと言うことにびっくりしました。

 

2016年

最初に作ったロケットストーブの試作品はこちら

単に断熱されたL字のチューブです。 土管でも十分代用できるのにわざわざ手間の掛かる鋼板で作っていた事も忘れていました。

燃焼室の内部は角パイプで、こんな形でも勢いよく燃えるからキャンプなどのアウトドア用にはこんな感じを応用すれば十分使用に耐えることが出来るかも知れませんね。

この後、ヒートライザーの周囲を鉄板で囲って継ぎ接ぎだらけのロケストに進化します。

仕組みは一般的な四角形の天井から放出されていた熱を天井に当ててダウンドラフトさせる構造です。

この頃はロケットストーブの知見が全く無い状態で、気の向くままに手を動かして実験にいそしんでいました。

最後に燃焼室を追加して見栄えは悪いですが、実験機が完成しました。

この実験機の記憶はほとんど残っていないのですが、たしか煙突取り出し部分の高さを高い位置にすると排気温度が高くなり、低い場所になると排気温度が低くなりました。

こやつは見栄えも悪かったので実験が終わるとスクラップ箱に直行でした。

 

2017年

その数ヶ月後の2017年初旬、本腰を据えて材料も奮発したロケストが完成しました。

この子が僕の本格的なロケスト製作のスタートとなりました。

しかし、ロケスト製作の経験が全く無く押さえておくべき装置のノウハウが無かったので巨大薪ストーブになっちゃいました。

ちょっとした2ドア冷蔵庫ぐらいの大きさなので普通の民家には完全にオーバーサイズです。

それと、燃焼室からオーブンが離れた場所にあって、オーブンは暖められた排気だけで昇温しなくてはいけないからオーブンが暖まるまで時間が掛かるのもネック。

 

その代わり、燃焼室全体を断熱で覆ったので火力はすごく、本当によく燃えました。

よく燃えたけど、燃焼室の温度が高くなりすぎて金属疲労が大きかったので燃焼温度が高ければ良いって物では無くある程度の温度で収まる事が大切だと学びました。

2017年後半

2017年初旬の製作で得た知見を生かして遂にSD01が完成しました。

しかし、シェイクダウン当初は脚も長くて全体のバランスが悪かったです。

知人のデザイナーより猛烈な指導が入り、脚の形状を変更して今の形に至ります。

最初完成した頃は、省燃費の性能に気づく事も無く単にゴーッと勢いよく燃える火力に見入っていました。 

初期の頃は空気で火力調節を行う一般的なスタイルで、本当にごく一般的なロケットストーブだったと思います。

しかし、2017年冬のメイン暖房にSD01を使うことにより、隠れていたポテンシャルが徐々に分かって来て現在につながる省燃費と簡単操作の布石となりました。

SD01は構造がシンプルだし、吸気回路の抵抗がないので本当に高性能でした。

2018年

そして現在の主力機KD01が完成したのが2018の8月。

個人的な感覚ではもっと前から手元にあった様に感じていますが、写真で確認すると初号機の完成がたった10ヶ月前だと知って驚きです。

 

今の姿とは違って、エアの調整が付いていたり、遮熱板が無かったり、煙突がシングルだったり基本的な形は一緒だけど内部構造が一部異なります。

2019年

2018年モデルと外観は似ていますが、一番重要な燃焼性能が吸気経路の見直しと排気経路の拡大で格段にバージョンアップしました

構造がシンプルなSD01に比べて燃焼用空気が流れる経路が長く複雑なので、炎に今ひとつ勢いが足らないと感じていた違和感も一切ありません。

初号機と比較して性能が段違いに上がったので自信を持ってお勧めできます。

そして設置場所の制約で壁際へ設置をご希望のお客様のご相談にも対応すべく、煙突の横出しもOKです。

まとめ

こうして振り返ってみると僅か3年で本当に進化を遂げています。2つの写真を比べると雲泥の差です。

最初は全く手がかりとなる参考資料が無い状態からのスタートだったので、簡単なサンプルを作り徐々に精度を高めて行った結果が今につながっているんだと思います。

特に省燃費で維持が簡単な薪ストーブをお客様へ提案したいと言う考えが固まってからは、以前に増して素早く改善出来るようになったので仕事の進捗スピードが速くなりました。

今年の新作も早く仕上げてレポートをアップしたいですね。

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