ヒミエルストーブ

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秋の納品に向けてKD01の製作開始

 
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ヒミエルストーブは僕が従来作っていたクリーンバーンストーブと比較して、部品点数が約2倍で製作日数も約1月費やすので初夏の段階で秋に向けた準備に着手します。

外観はただの鉄箱なのに、自分でもびっくりするくらい時間を費やしてしまいます。

 

昔期待をもって買った薪ストーブが、使ってみると薪があっという間に燃え尽きて20分おきに継ぎ足すことがとても面倒だったし、薪を1年以上前から準備する事も面倒だったので、もっと普段使いに便利な薪ストーブが無いかと探したけれど、どこにも売っていなかったので自分で作るしか仕方なかったのも良い思い出です。

 

図面も一新

今までは改造が必要になることを見込んで詳細な部品図まで作らず、作りながら細かな部品をアジャストをしていたんですが、小さな制作物が積み上がると時間を浪費してしまうので今回は真剣に製図してみた。

一応プラントの設置などを生業としているので図面を書くことに違和感は無いけど、一見簡単そうに見えるKD01の部品を作って貰うだけで40枚以上の図面が必要になります。

 

ここで一番大切なスキルは過去の経験を踏まえた設計力では無いでしょうか。

以前働いていた電機メーカーでは、夜間生産を派遣の方が担っていたのですが、派遣のリーダーの方曰く「俺は職業訓練でCADの使い方は習ったので、線は引ける。けれども設計が出来ない。」と言っていました。

そうなんですよね。 誰かが作った図面をトレースする事は誰でも可能だけど、世の中に無いものを1から作って行くのは本当に難しい。

 

たとえKD01を買って分解しリバースを掛けたとしても、形を寸分違わずコピーする事は可能だが、一見無意味に見える空間にも意図があったり断熱の方法もコツが有るので完コピ以外出来ないのが実情では無いかと考えます。

 

今回もいつもと同じく、外観は一緒だけど中身は空気流路を中心に、いろいろ改善をしてさらなる高性能を狙っています。

こういったブラッシュアップが可能なのは、販売前に何パターンも試作を繰り返して比較対象を沢山蓄積できたからであり、もっと言えば薪ストーブが売れないから暇だったので改造に多くの時間を費やすことが出来ました。

 

見た目の改良点

今回は見学に来て下さったお客様のご要望に応えて、ドアを従来品と比べ大きくしました。

写真の下が従来品、上が今回のドア枠になります。 これ以上大きくすると本体から飛び出してしまうのでこれが最大の大きさになります。

 

特に、お客様に相談されるまで自分では気づかなかったのですが、オーブンは中が広いくせに入り口が狭かったのでSD01の様に仕切り板を設置する事が出来ませんでした。

確かに、仕切り板をスムーズに脱着したいですよねー

という訳で上下の扉を目一杯大きくしたのがしたの写真になります。 どんな仕上がりになるのか楽しみだ。

 

扉の加工

扉にはガスケットがはまり込む溝を溶接にて作っています。 写真では分かりずらいですが、ドアの真ん中あたりを細い脚長でTIG溶接しています。

そして、扉の全周をフルで溶接すると加工熱で必ず椎茸の様に、中心部分が盛り上がるように変形してしまいます。

そこで、変形した方向と逆の力を掛けて変形を修正する作業が必要になって来るのです。

 

鉄はジャッキで押しても、有る領域まではスプリングのように跳ね返す弾性があって、弾性域を超えて組成変化するまで変位させなくてはなりません。

けれども押しすぎると最初とは逆の方向へ曲がってしまうので微妙な力加減が必要になるのです。今回は6t位で押してちょうど良かったです。

 

作業の効率化

以前は入荷材料を台車の上に平置きしていたのですが、下に敷かれた鉄板を取るのに、一旦上の板を動かすのが非常に面倒だった。

なので、試しに工場内に在庫している材料で移動式ラックを作ってみた。鋼材で仕切りをつくって塗装して

板で台車の土台を作り車輪を取り付けます。

そして、完成したのがこの台車です。 大きな板は立てかけて収納しているから以前と比べてとても効率的。

けれども、小物を収納する機能が今ひとつなので、次回の改造は小物収納棚を追加したいと思います。写真以外にも部品があって、重量は200キロを超えているから非常に重たいです。

 

まとめ

ドア以外にも改善点がいくつかあるので、完成したら順次報告して行きます。

 

作る度に改造しているけど、今回以降は大きな改造は無い。。。と思いたい。

自分で感じる僕の強みは、お客様の要望に素早く応えて製品の使い勝手を向上させて行くスピード感だと思っています。

今後も制作者のしょうも無いプライドは一旦脇に置いて、ユーザーが求める性能を愚直に追求して行きたいですね。

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