燃焼のデモンストレーション
近頃は新製品の製作に忙しくて火の面倒を見る時間がもったい無いので暫くストーブはお休みしていたのですが、今日は写真を撮る用事があったので久しぶりに火を付けて燃焼させました。
ちょうど米子から薪ストーブを使っている知人が工場の見学に来る予定もあったので、初めてヒミエルを見てもらい燃焼の感想を貰う事も狙っていました。
普通が凄い
もう燃焼に関しては、何も言うことも実験が必要なことも無くなったので淡々と燃焼を見て頂くだけです。
ちょうど12時頃に到着したので、燃焼室へ大きめの薪を2本入れて1時間経過しても余裕で薪が残っていました。
薪ストーブユーザーだから持っている着眼点なのか、この蒸し暑い中普通に燃焼しているのがスゴイとお褒め頂きました。
米子の家では、暖かい日に使うと煙の逆流が起こりやすいのでヒミエルのように力強く燃えることが出来ないのに、余裕でゆっくり燃焼していることに驚かれました。
そうなのですよね、比較対照のデータを持っている方こそ自分の記憶する燃焼と全く違うとすぐに分かるのです。
小さな炎でもないのに、ゆっくりと燃える。 これが高燃費の秘訣だとテスト中のKD02を見て貰いながら説明しました。
知人が工場を出発して薪を追加すること無く2時間後撮影した写真がこちらです。
無造作に木を2本投入すれば写真ではわかりにくいですが、あっという間の再点火。
徐々に炎が大きくなって、ダンパーを絞ります。
再投入後10分もしないうちに巡航運転に戻りました。
寒いときほどこの再点火の早さは有り難いです。
知人は通常のクリーンバーンを使っていますが、寒い冬にヒミエルを使ってみると違いが良く分かると思います。
今日は製作途中のパンフレットの為にサイクロンの写真を撮影しました。
今となってはサイクロンも欲しい機能を作り出す手段の1つに過ぎないので昔ほど強調する事は無くなってきました。
車を買うときは部品の機能に魅力を感じて買うのでは無く、手に入る生活が魅力なのと同じく、ストーブの機能よりも手に入れる意味の方が凄く大切だと考えるようになったからです。
僕が欲しいと思う、燃費が良くって、暖かくて、暖房以外のお料理など生活の道具としての薪ストーブが世の中に売っていないから、開発してここまで形にする事が出来ました。
去年までは全くといって良いほど反応が皆無だったので、僕の欲しいと思う機能は独りよがりの妄想かと不安になっていましたが、今年になってご注文を頂ける様になって来たので一安心です。
今は、ご注文頂いたお客様の元へ完成した製品を届け、使い込むうちに気に入って頂ける製品を作り込むことが一番大切です。
ウチにはセールスマンは居ませんが、製品自体が看板だと思っているし、お客様が気に入って下されば何よりも宣伝になると思うのでこの秋から始まる納品ツアーが楽しみだ。
ログミー
ログミーに山口周さんの講演が載っていました。
日本企業はマーケティングの奴隷になっている、アートを軸にサイエンスを道具として使う時代のビジネス論
詳細はリンクを見て貰うとして、要は「自分の思いをスターターにして駆動してゆける人の重要性」をお話されているのですが
この記事を読んで感慨深い物がありました。
僕も初期の頃は売れる物が何かも分からずに、とにかく世間で販売されている2番煎じ3番煎じを、パット見のデザインで包むことばかり追い求めていました。
自分自身何が欲しいか分からず、とにかく世間で販売されている物の焼き直しをして何とか糊口をしのごうを考えていました。
けれども、そんな事では僕よりも魅力的なデザイン、強力な資本で広告を打っている先行企業に対抗できるわけも無く本当にじり貧でした。
そのまま2番煎じ作戦を継続していると今の自分は無かったと断言できます。
しかし、世間には無い便利な機能を世の中に提供したいと言う思いが固まった頃から、迷いや悩みが激減して自分の作るべき物に邁進できるようになって来たのです。
今の状態まで完成させる確信は無かったけど、多分こっちに進む方が良いと感じた直感を素直に行動できたことが一番の成果かも知れません。