寸法ミスで使えない遮熱板を作り直す
先月高木製の煙突を横出しに設置したKD01の2号機。
実は煙突の中心寸法を勘違いして本体へ固定する事が出来ませんでした。
新聞を巻いているのは、バンドの締め付けで煙突塗装面が傷つくのを防止する養生。
そして本体横に固定されるべき遮熱板はそれとなく斜めに放置していました。
分割式遮熱板
1枚板なら塗装して終わりなのですが、煙突部分の遮熱板はメンテが出来る様2分割になっています。
シャーリング(押し切り)で購入した薄鋼板へ穴位置をケガいてポンチを打ちます。
所定の位置に穴を開けて、今度は間違えないよう何回も確認の後煙突貫通部分の穴を開けます。
薄鋼板を着るのはアセチレンよりプラズマカッターの方が熱によるひずみが少ないので薄板はプラズマカッターで切断するようにしています。
穴開けと平行して、継ぎ目となるフランジを製作してビスで固定した後にリベットの下穴を開けます。
薄板を溶接すると熱によるひずみが出るので、僕はリベットを多用しています。
ハンドリベッターでは腕が上がってしまうので今年中古の電気リベッターを購入しました。 とっても楽ちんです。
リベットを打ち終えると、耐熱の黒に塗装します。
一見ムラがあるように見えますが、#200番くらいのペーパーで空研ぎしてやると塗装面が均一化して良い感じに仕上がります。
そして、十分乾燥した後本体へ取り付けます。
作業前と比べ遮熱板がしっかりと固定されているのがおわかりになるでしょうか?
ヒートシールドの重要性
ストーブはただの暖房器具です。
なので、真っ先に考えなければ行けないのは可能な限り安全な方法で設置するべきだと考えます。
大切なものの1つが「低温火災対策」で、ストーブ本体から発する熱が躯体に残らないよう配慮が必用です。
ヒミエルは今でこそ正面以外の4面全てに輻射熱を遮る遮熱板を標準装備していますが、今年の3月までは付けていませんでした。
写真は軽井沢へ納品に行き1日中焚いていた時なんですが、下の熱対策をとっていなかったので床がものすごく熱くなっちゃいました。
理由は簡単で、空気が通過するパイプが床面を冷却してくれるんじゃないかと都合良く考えていました。
確か、この写真バージョンで本体底面に遮熱板を付けていましたが改造に伴い遮熱板を撤去したのが裏目に出たのです。
今は床面が熱くなる根本原因から改善を行い、連続の巡航運転でも床下が90度に到達しない設計になっています。
まとめ
昨日の記事にも書きましたが、確固たる知識が無い事例を掘り進めて行くには、プロトタイプを作ってそれを参考に製品をブラッシュアップして行くしか手法がありません。
昨日は断熱材についての私見
今回の遮熱板も、製品を作り込んで行く過程で必要性を認識すると伴に、効果的な遮熱方法を発見したのです。
このように、何も無いところからプロトタイププロダクトを積み重ねて製品を改善して行く事が僕の得意領域で有り、他社では模倣困難な特色だと思っています。
特にある程度規模が大きな企業になると組織の効率を良くする為、設計、製造、営業が分かれてしまい、現場でしか得ることが出来ない貴重な発見や意見を設計にフィードバック出来ない光景を山のように見てきました。
しかしヒミエルは、規模は小さくとも全ての工程を一人で責任をもって運営しているのでお客様が何気なく話す要望でも合理的と判断すればすぐに製品へ反映して製品の魅力を向上させて行きます。
自分で既存製品の課題を見つけ、解決方法のソリューションを発明し、webマーケティングで効果を確認すると言うのは、指示された作業をこなすだけの職人では実行不可能だと考えるし、過去の自分だったら何も出来ずに口ばっかりだったと思います。
しかし、分からないなりに行動を重ねることで、人と出会い、課題解決のヒントを知り、少しずつ感覚が研ぎ澄まされて来ました。
そんな僕が今の所一番大切だと考えるのは
とにかく行動した経験を踏み台にして前に歩を進めて行く事なので、これからも自分が作り出す妄想におびえること無く勇気を出して挑戦して行きたいです。
Comment
壁や床など何度になったら遮熱が必要である、みたいなラインありますか?材質にもよると思いますが。
申し訳ございません。
薪ストーブを設置する場合炉壁と炉台は必須と考えてますので、温度帯による設置の有無は存じ上げておりません。