新たな長時間燃焼の提案、KD02の可能性と課題の解法

 

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薪ストーブをよく知っている人ほど今年の新作KD02の燃焼に驚いて下さります。

なにが凄いのか端的に言うと

  1. 大きなメガ薪を2つ以上投入すると下からゆっくり2時間以上燃える
  2. そんな状態なら煙が大量発生するはずなのに無煙

大きな薪を燃焼室目一杯詰めて長時間燃焼

普通の薪ストーブは、ペットボトルくらいに割った広葉樹を燃料に使うのが長時間燃焼を行うのに必須の準備です。

 

しかし僕の場合、近所で薪がでたら頂戴ねーなどと声を掛けて貰える事が多いのは節が多かったり倒木してから2年以上放置された木ばかりです。

要は節の無い広葉樹などとは正反対の、硬すぎて斧で割ることが出来ない俗に言うクズ薪をメインに使っているのです。

これは近所の薪活場所、討伐して2年以上経過したカチコチの木ばかりなので切断するにも一苦労です。

なんとか輪切りや、スライスにしても凄く硬いし二股なんて手の力で絶対に割れないので最小限の手数ですむカットで作業を終えます

荷台の写真だけじゃよく分からないので、革手袋を参考に大きさを想像して貰うと殆ど玉切りの状態だと言うことが分かると思います。

通常の薪ストーブなら、この状態の薪ではちゃんと燃えることが出来ないので薪割りが必須になります。

しかしKD02なら燃焼室に入りさえする大きさであればしっかりと燃焼するのでこの状態でOKなのです。

例えばこの大きさの薪なんて、普通なら3~4分割するのがセオリーでしょうか。

しかしそのまま燃焼室へ投入。先ずは少し小さめの薪を適当に放り込みます。

その上にメガ薪を載せて準備完了。普通なら下から一気に炎が燃え上がり煙突から煙が大量に排出されて大変な事になっちゃいます。

 

ところが・・・一見消えているようにも見えるのですが、しっかり下の方から順番に燃えて行くのです。

このような状態ではものすごい煙が発生するのが普通なのに無煙なのです。

あとはこのまま放置するだけ。

燃焼室に薪を入れたのが10:40分。 

お昼前に、下に入れた小さい薪が燃え尽きたので1つだけ薪を追加して2時間20分後の13時に撮ったのがこの写真です。

一見灰になっている様に見えるけれど、実は中にはしっかりと芯がのこって燃えているのです。

最後熾火になったのが燃焼室へ薪を投入してから5時間20分後の16時過ぎになりました。

10時40分に燃焼室目一杯薪を詰め込み、お昼に1個追加するだけで5時間以上連増燃焼したことになります。

 

連続燃焼させるのにはいくつかお作法があって

  1. 大きな薪を組み合わせて燃焼室へ投入
  2. ダンパーは全開

この2つを行うと誰だって普通じゃあり得ない連続燃焼を手に入れる事が出来るのです。

おまけに、夜11時に満タン燃料を詰め込んだら、朝の7時でもほのかに暖かいばかりか炭火が残っているのであっという間に再起動出来るのです。

 

僕の場合、節の多い薪の入手が多いのでKD02の特性がぴったりとマッチします。

 

問題点解決の実験と失敗

メガ薪の長時間燃焼は良いと分かったかも知れませんが、しっかりデメリットもあってこいつの解決に手を焼いています。

それは、扉を開けると煙がお部屋に逆流する問題です。

燃焼空気の流れが上昇気流に乗ってストーブの上方向に流れるのでは無く、燃焼室の奥へ流れる構造なのでドアを開けると燃焼室に滞留した煙がどうしてもお部屋側へ流れて行くのです。

 

対策として、燃焼室の横にオーブンが付いているタイプの薪ストーブを参考に燃焼室の天井にスリットを設けて、燃焼室天井に滞留する煙をそのまま煙突から排出する事を思いついたので早速加工と実験をしてみました。

真ん中のスリットが燃焼室天板に開けた隙間になります。

ここから都合良く燃焼室天井付近に滞留している煙が抜けてくれる事を期待して、火を付けてみると

本来なら後ろへ吸い込まれるべき炎が燃焼室天井に向かって立ち上がり、猛烈に煙が発生するじゃありませんか!

ヒートライザーよりも天井のスリットの方が抵抗が少ないので、薪が燃えて発生した1次燃焼ガスが2次燃焼する事無く煙突から排出されている証拠だと思います。

久しぶりに見る猛烈な煙だったので、これだけの煙を燃やし尽くすサイクロンチューブの性能を確認出来出来たのはラッキーかも知れないが、実験は大失敗!

 

スリットの大きさが問題かと考えたので翌日はスリットを埋めて、5mmの穴を開けて再度実験したけれど、やっぱり小さいと言えども1時燃焼ガスが煙突から排出されるので煙が消える事は有りませんでした。

 

この実験から得た知見は

燃焼室に穴を開けて煙を煙突から排出するのは無理筋の改造だと言うことです。

 

駄目だと分かっただけでも前進なので、次はどんな手を打とうか考えていた時に偶然にも薪ストーブライフ顧問の亀井氏よりヒントのお電話を頂きました。

僕が困っていると聞いてご連絡下さるなんて本当に感謝です。

 

そしてアドバイスの内容はと言いますと「サイドオーニング」の追加。

日本語に直せば本体の横に薪投入用の小窓を追加するのはどうかと言うことです。

 

確かに窓の小さいKD01は煙の逆流が気にならないし、本体の横にもう一つ小窓を追加するアイデアは一切浮かんでいなかったので本当に有り難いヒントなのです。

 

そういう訳で、今作っているお客様へ納品するストーブが完成すれば、KD02の側面に薪追加用の扉を製作します。

 

まとめ

欧州では2020年だったか22年以降、薪ストーブに関する排ガス規制が厳しくなり燃焼時間よりも排ガス性能向上に舵がきられて行くそうです。

そうすると、ヒミエルのように大きな薪で長時間燃焼出来る製品が世の中にほとんど無いと言う状況になります。

 

寒冷地ほど、手間の少ない長時間燃焼のストーブが重宝されるのでデメリットを克服出来ればKD02は今後の展開が大いに楽しみになりそうな実力を秘めていると思っています。

 

KD02に関しては製作のきっかけから、問題解決のヒントまで全て薪ストーブライフ顧問の亀井氏より助言を実行する事で、話前進しているので感謝の言葉しか見つかりません。

 

早くサイドオーニングを作って実験レポートを発信できるように頑張ります。

 

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