ヒミエルストーブ

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Q:なんで燃費が良いのですか?の回答

 
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前回は一般的なクリーンバーン機について個人的な考えを解説しました。

煙突内部を高温に保って得られる浮力により吸気力と量をコントロールするので、本体で施す事が出来る施策が少ないと主張させて頂きました。

本当に薪ストーブには煙突が大切で、たとえロケットマスヒーターと言えどもシングルから2重煙突に変えた途端性能が激変するので驚きです。 特に顕著に感じる変化は燃焼のピークを越えても炎の勢いが衰えないという所でしょうか。

 

シングルだと燃焼のピークを越えてとろ火になってくればドラフトが弱くなって良く燃えないので、ドラフトを維持するために火力を強く保つ必要が生じます。 

 

また、木酢液発生の問題も有ります。排気温度が低いと必ず木酢液が発生します。

 

ですので僕の個人的見解では薪ストーブはどのような形態を採用しようとも2重煙突を導入した方が性能が良いのでお客様へはマストアイテムだとご案内させて頂いております。

炎が後ろに向かって流れるのが大切

枕が長くなってしまいましたが、まず第一にロケットストーブ系の薪ストーブは炎が燃焼室の奥へ流れて行く事が特色です。

これは高燃費をたたき出すのに結構重要で、最近流行している上から点火方式と同じく燃焼によって発生した炎が薪全体を燃やすのではなく炎が燃焼室の奥へ吸い込まれることにより薪が端っこから燃焼してゆきます。

なので、このように燃焼室へ満タン薪を詰め込んでも下から順次燃えて行き長時間の燃焼を可能にします。

しかし現実は薪の樹種により燃焼スピードが変化するのでこの状態で薪が全体的に燃える事も有ります。

とは言え、薪が一気に燃え尽きると言う物ではなく端から緩やかに燃焼してゆくので長時間燃焼に偽りはございません。

排気絞り

単にロケットストーブの構造だけならヒミエルストーブの高燃費をたたき出す事は不可能です。そこを超えるブレークスルーがダンパーを絞ってドラフトを極限まで抑えた巡行運転を可能にする技術なのです。

 

前回の記事で通常のクリーンバーン機ドラフトが20~30paの間を維持すると記述しましたが、ヒミエルストーブのドラフト圧力は驚異の5paです。 普通のストーブでは5paの巡行運転は不可能です。

ではなぜドラフト圧力が低くても巡行運転か可能になるのでしょうか?

それは、本体内部に高温になる煙突部分を備えている事で連続燃焼に必要な熱エネルギーを保持しているのです。

燃焼のスピードを遅くする鍵は空気の流れを遅くすることです。空気の流れを遅くしても、空気導入口は全開なので酸欠になる事は無く必要な空気は確保される。 だから煙の発生がとても少ないのです。

 

そして本体から屋外へ排出する煙突のドラフトは低くとも、本体内部のヒートライザーでドラフトを発生しているので空気の流れが遅くてもしっかりと燃焼を継続できるのが高燃費の秘密なのです。

 

しかし、薪を多めに投入し昇温させれば燃焼温度は軽く700度を超えるので熱に耐える素材を選択しなくてはなりません。

また長期の使用に耐えうる保温材の選定、熱に耐える部分と消耗品と割り切りあえて熱に暴露する部品を設定するなど私独自のノウハウが詰まっているのです。

 

今で最初のプロトタイプが完成してから3年が経過しています。そして機能部品がどのように劣化してゆくのかの知見が大きな財産なのは言うまでも有りません。

 

燃焼室の外を本体が覆っている構造

通常の家には関係ないかも知れませんが、24時間換気を行っている現在の高気密住宅へ設置するには外気導入が必須となります。そして高気密住宅に設置する薪ストーブの燃焼室に亀裂等が発生すれば、熾火になるとストーブの燃焼室から気圧の低い室内側へ燃焼室で発生した1酸化炭素や煙が部屋へ流出する恐れがあります。

これは非常に危険な状況です。

炎が強い時は問題なくとも、熾火状態になってからが問題なのです。特に強い炎などでヒビが入っている方は一度気を付けた方がよいと考えます。

しかし、ヒミエルは燃焼室の外側を完全に密封した外板で覆っているので例えクラックが入ったとしてもお部屋と直接つながることな無いし、そもそも炎が直接燃焼室内部を攻撃しない様にヒートシールドを設けて内部保護を行っています。

本体を守るためのヒートシールドは消耗品と割り切って、錆びて穴が開けば交換します。

 

まとめ

話をまとめると

高燃費の秘訣は

炎が後ろへ流れて行く構造。これは世間一般的な構造です。

そしてここからが私のオリジナル。

高温の熱エネルギーを本体内部にため込み、ドラフトを極限まで絞った巡行運転を可能にする。

コンパクトなスペースで高温を発生させる核となる技術が特許を取得したサイクロン燃焼になります。

 

この様に通常とは全く異なる構造を採用しているために高燃費を作り出す事が可能になりました。

また、誇張なしに製作に必要な鋼材は普通の薪ストーブ2台分を必要としています。そして熱負荷の高い部分には肉厚のステンレスを採用しているので以前製作していたクリーンバーン機と比較して2倍以上のコストと手間を投入しています。

 

だからと言って現在の価格が安いものでは無いのは承知していますが、価格に見合うだけの価値を提供できる様に製品を作り込んでいるつもりですし、今までお買い上げ頂いた多くのお客様からは「いい買い物が出来ました。」と感謝の言葉を頂いております。

 

私のつたない文章で伝える事が出来るのはごく僅かな事なので、あとは実物をみて感じて頂くのが無難でしょうか。

 

 

 

 

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