建築会社ショールーム設置の設計
仕事は段取り8割と言われているけど、薪ストーブの設置も8割が段取りが占めているし、設計がしっかりしていれば現場で手間取ることを事前につぶす事が出来るのは自明です。
今回はマーケティングの勉強会で数年前から知り合いになっていた兵庫県宍粟郡の建設会社様が、新築でショールームを作るのに合わせヒミエルストーブを候補に挙げて下さったので現地へ赴き下見と打ち合わせを行いそれに基づいてプランニングを行いました。
現地確認
現場で写真撮影を忘れちゃったのでスクショなのですが、2Fが事務所になっておりその下へ新たにショールームを建築されるそうです。
そして写真撮影ポイントをトラックが往来するので2階外壁より1.5M くらいショールームがセットバックする設計になっています。
一番最初に気になったのは煙突の横引き長さです。高さは縦に8Mあるけど、2Fの壁面までトータルで2M弱の横引きなので普通に横出しなんて出来ません。
なるべく横引き部分を減らしたいので、今回は外壁から直ぐに45度で立ち上がる仕様にしました。
45度の角度で進む距離は1/√2になるので丁度良い感じに収まる組み合わせを探すのが仕事でしょうか。
今回は屋根高さやセットバック距離などの制約が多く2~3パターンラフを書いたのちに最終案に落ち着きました。
最初はこんな感じで45°の距離が短く横引きが1M有りました。最終プラント比較して横引き長さが40㎝長いだけですが燃焼性能が大きく変わってくるので簡単に見過ごすことは出来ません。
ただ、煙突掃除は2Fが陸屋根なので天井からブラシでお掃除してもらうか、屋外のT管からドリルロッドを利用してトップまで貫通してもらうかの2択になります。
壁出しにT管を選ぶと値段が上がるのでエビ曲がり管を選択する人もいますが、そうなるとお掃除が非常に面倒なので基本的に採用はしません。
壁出しは国産煙突をお勧めしています
今回はホンマと新宮の実物を持参して、現物を見てもらいながらホンマだと切り欠き部分から毛管現象で断熱材に水が入って劣化する事をお伝えし新宮でのプランニングを了承頂きました。
壁出しだとジョイント部分からの浸水を止める事はほぼ不可能で、コーキングや防水テープで涙ぐましい対策を施しても紫外線による経年劣化には対抗する事が出来ず5~10年後には断熱材の劣化と言う宿命から逃れる事は出来ない。
その点、国産煙突はしっかりとプレス加工で板金されているので断熱材へ漏水する原因が除去されています。しかしその分費用が上がってざっくり8万円位の金額差になってくる場合が多いです。
10年経っても劣化しないイニシャルコストと思えば良い先行投資だと僕は考えるので壁出しのプランニングには国産煙突をお勧めさせて頂いております。
とは言え、人それぞれなのでご要望を相談頂けましたら知っている範囲で最適なプランを提案させて頂きます。
まとめ
このほかにも炉台の設計、遮熱壁のプランニング、換気計画の確認など設置の前に決めなければいけない事が色々あるので、それらを含めたトータルを一番いい状態に提案するのが薪ストーブ業者のお仕事だと実感します。
機械設計が仕事の一部なので製図に全く違和感を感じないけど、今から製図を学ぶとなればとっても苦労していただろうと思います。どこで過去の経験が活きてくるのか分かりませんが無駄な経験は無い物ですね。