ヒミエルストーブ

 メルマガ登録はこちら

KD01製作 その4 底面の空気ライン造作

 
この記事を書いている人 - WRITER -

今月は薪ストーブを作る以外にも、毎週来客対応が有って思う様に製作スピードを上げる事が出来ないのがもどかしいです。

ミニマム会社の悲しい宿命で、全てをこなそうと思えばなんだか、どっちつかずになりそう。

 

今週は本体の外殻組み付けと、底面の製作を完了させました。

本体外皮の製作

ここまで形になればなんだか出来上がったような感じだけど、そうじゃなくて結構気を遣うポイントなんです。

以前のブログにも書きましたが、上から見て長方形の寸法がしっかりと出ていなければ、天板を載せた時に段差がくるってしまうので非常に気を付けて組み付けています。

 

勿論、切りっぱなしのプレーンな鋼材なら簡単に寸法が出るんだけど、いくらジグで拘束しているとはいえ正面板が微妙に歪んでいるので丁度いい感じに寸法が出る場所を探し出して仮止めしてゆきます。

そして、対角がしっかり出たのを確認後天板を止めるフランジを溶接してゆきます。

外側を見れば、隙間を開けて溶接しているように見えますが、気密を保つために内部は全周溶接を掛けています。

この後、綺麗に研磨して最後はガスケットを挟み込んで気密を保ちます。

 

本体の溶接は板厚の半分以上開先(溶接肉が流れ込む隙間)を取りしっかりと温度を上げて流し込んでいるので安心して研磨できます。

これが単に突き合せただけの溶接なら、サンダーでフラットに削った後しばらくの間使うと溶接がパックリと割れてしまうので危険なのです。

 

塗装するので、ここまで鏡面に仕上げる必要な無いかも知れないけど、塗装は下地が命なのでツルツルになるまで磨き上げるのが個人的に好きなんです。

 

削っていると粉まみれになるから、蒸し暑い中空調服も使えずひたすら心を無にして作業に没頭します。

 

空冷の2重床面

KD01の床面は2重構造になっており、薪ストーブを設置する床面が熱くなることを未然に防止しています。

熱の蓄積による低温火災は非常の怖くて、たまにSNS等で見るフローリングに鉄板なんかを敷いただけの設置環境はモデルにより床への攻撃力が異なるとは言え非常に危険だと考えます。

 

とにかく、可燃物と不燃材(石や鉄板、ケイカル等)が接触した状態で使用すると、熱は高いところから低いところへ移動するので必ず熱くなります。

 

ではどうすれば良いかというと、隙間を開ける! これだけです。

燃えない床材と床面をたとえ10mmでも離せば熱の移動が大幅に削減できるので、とにかくピタリとくっつけての運用は危険です。

 

ウチのストーブは構造的に床面が熱くならない構造を採用しています。

しかし、万が一のトラブルを考え床面の養生もしっかりとお客様へレクチャーさせてもらっています。

 

2重床

燃焼室の床下はこんな形になっています。

ちょっと濡れているように見えるのは耐熱塗料を塗った直後だから。

ここは袋状になっており、後から塗装出来ないし錆を防ぎたいので必ず塗装した後に蓋をします。

乾いたらこの上に外から見える床面を取り付けます。

 

 

後は、全周溶接を掛けて外気導入口以外から空気を吸わない様に加工してゆきます。

まとめ

今回は本体の仕上げ工法を紹介してみました。

床面を2重にすることで、設置場所への熱攻撃を低減するのと、吸気を予熱する2つの働きを狙っています。

 

文章にすればめちゃ簡単だけど、最初はどのくらいの隙間で適切な空気量を供給できるのか全く分からなかったです。

とりあえず作った機構は空気の供給量が少なかった様で、いつまでたっても煙が消えないし巡行運転に入るまでやたら時間が掛かる不満の残る製品でした。

写真を探してみると、懐かしい見つけたのでアップしときます。

今は2重底だけど、最初はこんな感じで角パイプで吸気してました。

これじゃ空気の量は少ないし、床面がめちゃくちゃ熱くなるし本当にどうにかしてよ~と言いたくなる製品でした。

 

これも良い経験で、失敗が有るからこそ今の形が生まれたので一つの通過点だったと思います。

この記事を書いている人 - WRITER -

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Copyright© himiel stove , 2020 All Rights Reserved.