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外気導入長さの実験

 
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現在、新築住宅の設置プランニングを設計士様と行っており、その過程で設置可能な外気導入の長さを確かめてみました。

過去にも新築住宅にはアルミダクトで外気導入を接続したけど、最大でも約600mm程度。

それくらいの長さなら性能に全く支障をおこしませんが、今回のプランは約6Mで総曲がり角度は270度と過去最高の長さです。

設計士様もダクトの長さが原因で不具合が起きないか懸念されているので、実験を行いどの様な燃焼になるのか確認してみた。

 

長い吸気経路

いやー長い!

長いだけじゃなくて折り曲げが多いほど管内の圧力損失が大きくなるので一体どの様な結果になるのか全く分かりません。

工場に在庫していた材料の関係で実際のレイアウトとは異なるけど、総延長距離と曲げの回数は同じになる様に設定しました。

 

焚き付けがうまく行くか心配していたけど、想定外にすんなりと点火する事が出来ました。

しかし、いつもの状態を100とするとなんだか80位の勢いしか感じません。

特に焚き付けの時は燃焼により発生する上昇気流の力が弱いので長い管内抵抗に打ち勝つだけの力が発生しておらず、細割の良く乾燥した薪を使わなければ煙逆流の洗礼を受けるでしょう。

 

うちに在庫している一番よく燃える、3年乾燥の松ですら炉内に投入しても勢いよく燃え上がる事は有りませんでした。

試しに入口の扉を開けてみると、勢いよくゴウゴウと燃えだすので吸気量が足らないと判断しました。

 

蚊取り線香を吸気口にかざしてみると煙はダクトへ吸い込まれて行きますが、燃焼に必要な量を賄えないのでしょう。

やっぱり6Mの外気導入は管の抵抗が大きくてしっかり燃えない事が判明です。

イレギュラー対応での気づき

お客様にお問い合わせ頂かなければ、吸気経路を6Mも延長して燃焼するなんて発想は浮かびませんでした。

空気の量が少ないから、勢いよく燃えないのは先ほど記述したけど、いつになく煙の排出が少なかったです。

煙の排出が少なく、とても緩やかに木質ガスが燃焼したように見えました。

 

火の勢いは弱いけれども、なんだかいつも以上にゆっくりと綺麗に燃えた様に感じたのです。

継続できる時間は短いですが理想とする燃焼を実現するヒントかも知れません。

 

これは僕の推測になるのですが、

空気が少ない→木質ガスの発生が少ない→燃焼速度に適切なガスの量→煙の発生が少ない

この様な因果関係が成り立つのではないかと思いました。

 

何故かと言えば、空気を沢山送り込もうとフロントドアを開放すると一気に空気が燃焼室へ入って炎の勢いが大きくなると伴に、沢山の煙が煙突から排出されたのです。

木が燃えて可燃性ガスが多量に発生しても、ガスの量が空気と比べ多いと燃え切れずに煙となって屋外へ排出されてしまうからです。

 

まとめ

分からない事はいくら考えても分からないので、実験で確認するしか解決方法はありません。

特に今回の様な結果を想像する事すらできない事例はどのような燃焼になるのか、ものすごく興味が有りました。

 

6Mの吸気回路は成立しないと分かったので、どのくらいまでなら最大で運用できるかも調べてみました。

答えは3Mです。

このくらいまでなら何とか実用的な運用ができると思います。

 

勢いよく大きな炎が欲しいならもっと短い距離の方が良いけど、薪と燃焼機関とのバランスはこの程度の長さが程よいのではないかと思いました。

 

結構色々な事を分かっているつもりでいたけど、それは自分で気づいていないだけで、まだまだ未知の事が沢山あり勉強に終わりが無いのだと再確認です。

 

 

 

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