2シーズン連続使用して、初の煙突掃除で判明した燃焼性能
2シーズン使い始めて煙突掃除をしたお客様より煙突掃除の写真を頂きました。
仕様場所は北陸で冬季はガンガン暖房に使用して頂いてます。
ヒミエルストーブをお使い頂くに当たり、樹種に指定はないけれど乾燥した薪を使ってもらう事を必須とさせて頂いてます。
排気温度が低いので湿った薪を使うと煙突の1/3が煤で覆われたお客様も過去にいらっしゃいました。
切り倒したばかりの水分たっぷりの松を酸素を絞って運用した煙突内部。
恐ろしい位中に煤が溜まっていました。
煙突掃除の結果
2シーズン連続で使って初めての掃除。丁度横引きの部分の写真になります。
ここって排煙抵抗が発生して煤が溜まりやすいのですよね。
上手にお使い頂いているのでとてもきれいな煙突内部。
この後ドリルロッドで下から掃除して出てきた煤はごく僅か。
煤が少ない理由
そもそも煤は煙の中に含まれる炭素や未燃焼ガスの成分、タール等が燃え切らずに煙突の内部に付着する事により発生します。
じゃ、その辺りの物を一網打尽に燃焼させればいいじゃない?
誰もがそう思うし僕もそう思います。
しかし、炭素は燃えにくいので高温環境で炭素を含んだ燃焼ガスを滞留させる必要が有るのです。
要は煙が出ない理想的な高温環境を維持しながら空気の流れを緩やかにしなきゃ駄目って事です。
この状態を世間のクリーンバーン燃焼ストーブで維持するのは高度な技術が必須になります。
具体的には熾火を作り、その上に投入した薪が炎に包まれ十分に高温になってから吸気を絞った巡行運転状態を維持しなくてはなりません。
煙の出ない一番具合の良い状態をシーズンを通して維持する事で綺麗な煙突内部を見る事が出来るのです。
なのでストーブの性能以前にユーザーの技量によって結果が大きく変動すると思っています。
ではなぜヒミエルストーブは適切な運用で煤が少ないかと言えば
「煙を燃やしている」からに他なりません。
これって簡単そうに見えて装置で実現しようと思えば、非常に高度な仕組みが必要になるし、先行事例はどもにも有りません。
世間で販売しているクリーンバーン機とは全く異なるアプローチでないと実現できないからです。
ブログの読者様ならご存じと思いますが、サイクロンチューブで高温環境の中可燃性ガスと酸素を攪拌する事で煙を燃焼させると同時に
排気ダンパーを絞る事で空気の流れを緩やかに制限して、炭素と空気との反応時間を長くとります。
本体が高温で有るがゆえに排気ダンパーを絞った運用が可能になる訳で、そこは断熱材の選定、膨張空間の大きさ、部材の選定等実験を繰り返して得られる知見がなければ製品として確立する事なぞ不可能です。
煙突掃除を通して、図らずもヒミエルストーブの高性能を証明できたと思っています。
お掃除ポイント
煙突内部は綺麗でしたが、本体内部は灰や煤が堆積します。
これは構造上仕方のない制約なのでお客様には年1回の必須行事としてご納得頂くしか仕方ありません。
それ以外は少ない燃料で長時間暖房をお楽しみ頂けると思っています。
まとめ
2シーズン使用して下さったお客様からのユーザーレポートは製品の実態を知るのに大変参考になります。
これが煤で煙突が塞がっている状態でもブログで公開するけど、やっぱり性能が良いことを報告する方が気分が良いのは間違いありません。
確か去年の末に掃除したベロカフェさんも煙突の煤がとても少なかったと記憶してます。
毎回ストーブを作りながら感じる事は、すげー手間が掛っていると感じます。
嘘なしに通常型ハンドメイドのストーブの2倍手間が掛ってます。
なので量産できないし、今までご注文頂いたお客様はしっかりと日常生活で使い倒して頂けばと思います。