オプション満載のKD01をテスト
7月初旬に納品するKD01の燃焼テストを実施しました。
このモデルはご注文時に多くのオプションをご希望になられていたので、希望の形状が機能するのか検証する事からスタートしたので開発を除けば過去最高に時間を製作に費やしました。
外気導入
外観の特徴は煙突と外気導入の2本柱でしょうか。
設置場所が平屋で、小屋裏から外気導入する為にこの形状になりました。
しかし、天井から外気導入した事例はどんなに検索してもヒットしなかったのでどの様に進めて行けば良いのか悩んだもの良い思い出です。
通常だと壁際のガラリや床下の吸気パイプから外気導入するんだけど、設置がちょうどお部屋のど真ん中だし平屋なのでこの形状に落ち着きました。
この様に煙突と並列して外気導入パイプが備わり本体底面の吸気口に接続します。
微差圧計
お客様がドラフトをモニタリングしながら操作したいとの事ですので微差圧計を本体の上面に取り付けました。
誤って配管に接触して形状が変形する事を予防する為、計器の直近まで銅管に比べて硬度の高い油圧用パイプを配管して仕上げました。
こんな感じで吸気ダクトに沿うよう寸法を測定して曲げて行きました。
過去に油圧装置の配管を何度も経験していたことが役に立ったので、無駄な経験ってないと再確認です。
そして扉の取っ手はロック式の木球にして、途中で折り曲げて取っ手の飛び出しを減少させました。
鉄板の状態で全てを組み付けて形状の確認をしたあと、再度分解して塗装を行い塗装が汚れない様に注意しながら組み付けてテストに臨みます。 塗りたての状態は素手で触れただけでも跡が付くからニトリル手袋を使い、少しでも汚れたらすぐに交換するくらい気を付けて組み付けてます。
テスト
いつも通り焚き付けをセットして最初のテストを実施てみました。
燃焼に関しては何の問題も無く通常の燃焼です。
しっかり昇温させてダンパーを絞るとオーブン温度計が300度まで上昇します。
ガラスがほとんど曇らないので、暗闇の中撮影すると薪が燃焼する状態を鮮明に見る事が可能です。
僕も夜に電気を消して、炎を見ながらコーヒーを飲んで見たいな。
まとめ
完成した形を見てしまえば何てことないんだけど、先行事例が無い機能をプランニングからスタートして実験を重ねながら形状を決めて行く作業は、悩みも多いし多くの時間を費やします。
今回は過去最高にご要望が多く、全てのプランニングを決定するまで本当に苦戦しました。
形が決まってしまえばあとは作るだけなのですが、とにかく未経験の領域を進むのはタフさが必要になるし、その分野は結構得意なんです。
世の中に売っていない、しかしお客様のご要望が有る、そんな分野に特化した製品作りが僕の得意分野なので今後も逃げる事無く新たな課題に直面しても正面突破を目指します。