サイクロンチューブの消耗と顧客対応
日ごと寒さが増してきて、そろそろ工場の暖房に薪ストーブを点火しようかと思う季節になってきました。
SD01を最初に作ったのが2017年、もう4年も前になるのかー。そしてサイクロンチューブも良い具合に摩耗して来たので摩耗具合の公開と顧客対応についてお話させて頂きます。
熱摩耗
3シーズンを超えた辺りから初期ロットのお客様より、脚の溶接が取れちゃいました。とのご連絡を頂くようになりました。
最初の頃は溶接肉も少なく、見ることな一切ないくせに外観の仕上げにこだわっていたので熱で溶接肉が減耗してしまい脚が脱落したようです。
チューブの肉厚も薄くなって、そのうち外観を保てなくなったら交換のサインとなります。
しかし、下側が減耗したからと言って上半分は十分な肉厚が残っているので廃棄するのは勿体ないと考える貧乏性の僕はこの形に変形して2021年は納品していました。
上下を逆さまに入れ替え、2倍の時間使用して頂こうと考えた訳です。
この形で完成かと思っていたのですが、最終的に1本の長い棒を溶接して上下使える形状に落ち着きました。
初期ロットのお客様へは不具合発生時に無償で脚のアップグレード対応を取らせて頂きます。
既存のお客様には6~8シーズンで減耗するので、そのご必要であれば消耗品としてお買い上げ下さいとご案内しています。
部品の価格はステンレス素材の値段が毎月値上がりしており、今提示しても必要な時は価格が変わってしまっていると思いますので都度見積もりと言う事をご案内させて頂きます。
ガスと空気の攪拌混合
木材から発生する可燃性ガスと空気を効率よく混ぜる機構がサイクロンチューブなのですが、必要な長さのバーントンネルが有れば自然にガスと空気が混ざるのでこの様な抵抗装置は不要だと僕は考えています。
ではなんでこんな物をわざわざ乗っけているのかと言えば、バーントンネルを作って前後に長いデザインになってしまうと設置場所に制約が発生すると考えるからです。
広島の貞谷ストーブさんの製品など、廃ガスボンベを利用したシンプルな構造で秀逸な製品だと僕は思っています。
しかし、その性能を発揮するにはバーントンネルを設けた前後に長いレイアウトが必須となります。
とは言え、単に断熱されたヒートライザーだけの市販ロケットストーブもある訳でして絶対的な正解がないところが面白い面でもあるかな。
そんな僕が個人的に買って使ってみたい製品は2つ有って1つは先にご紹介した貞谷ストーブさん。 これは実際に見て良いと思ったので間違いない。
そしてもう一つがブルガリアで製造しているガメラストーブ。 これはブルガリアのFB友達が現地で作っているので輸入できるかどうかも不明だけど自分で作るより買った方が早いので非常に興味が有ります。
まとめ
可燃性ガスをスワールさせて強制的に燃焼させる薪ストーブは今の所ヒミエルストーブだけの専売となっています。
何故なら、特許を取得しているからです。
搬送機構の勉強の為にyoutubeを見てると、HPに特許出願中のクレジットを長期間ずーっと出している業者をちらほら見かけます。ちょっと気になった装置はj-platpat(特許庁の検索)で申請番号を検索すれば経過情報へ一瞬でアクセスできるしそういった多くの業者が審査請求をしていない、若しくは拒絶査定をひっくり返せず登録できないまま、特許申請中の文言だけが残っていると言う状態です。
僕は分からないことは突き詰めて調べないと気が済まない性格なので、知財に関しては懇意にしている発明協会のコーディネーターさんに質問したり、以前お世話になった弁理士の先生に相談する事で知財のトラブルを回避する体制を作っています。