(重要)ヒミエルストーブの劣化について
7月の最終日に福井県へヒミエルストーブの煙突掃除に行ってきました。
お客様は2019年に納品して3シーズン使用されています。
納品した記念撮影。この後雪深い北陸にて12月から3月末まで在宅している時は起床から就寝まで薪の続く限りストーブで暖房を賄うそうです。
ヒートライザーの劣化を憂う
ヒミエルストーブの構造上ヒートライザー内部(四角いステンレスの筒)を巡行運転では600度付近まで昇温させて煙すら燃やし切り、ダンパーを絞る事で通常のストーブとは比較にならない高燃費と暖房性能を発揮します。
しかし、いくらステンレスを使用していると言えども高温による劣化がどの様に進行するのかを事前に予測する事は非常に困難であり、経年劣化を踏まえて対応を決めているのが現状です。現在は工場で使用しているSD01の劣化具合を踏まえて材料の肉厚化を去年実施しました。
しかし、工場では9時間程度の運用だし週に3日しか使わないからユーザー様の使用された実機を確認出来れば最高の教材になると思っていた中で今回の話が舞い込みました。
まず最初は屋外から下方向に向かい順に煙突掃除を行って行きます。
そして室内まで到達したところで本体内部の清掃に着手です。
今回は天板を取り外さずに手の届く範囲でのお掃除対応を行いましたが、実際に掃除してみると道具をカスタムしないと掃除機での吸引がやりにくい場所があったりしたので良い経験になりました。
特に集塵機はフィルター目詰まり対策に灰受けペール缶を噛ませて吸引したのだけど、ペール缶についているフィルターが何度も目詰まりを起こし、何度も掃除が必要になったのが気になりました。
目詰まりしたフィルターの掃除は何度も屋外に移動するのが手間だし細かいダストが大量に飛散するので、ケルヒャーのT10/1を選定し使い捨て式の合成樹脂フィルターが満タンになるまで一気に吸い込むのが楽だと思いました。次にどこかのヒミエルストーブを掃除する機会があれば集塵機を購入し検証してみようと思います。
ヒートライザーの摩耗は全く無かった
タイトルが答えになってます。
本体真上から撮影したヒートライザーは全く劣化等無く、出荷の状態を保っていました。
3シーズン過酷な状況で使ってもこの状態であれば、今後も末永く愛用できると想像します。あとは長く使い込んで頂き実証するだけかな。
本体正面の炎が吸い込まれて行く部分も一切劣化が見られません。
感動的な光景だ!
焚き付けに失敗すると本体ドア正面から結露が垂れる問題も解決方法を見つけたので、改良を施すと使い勝手が更に向上するでしょう。
燃焼室内部の遮熱板すら熱による摩耗を感じなかったから、このままずっと使って頂ける状態を維持できると思いました。
長持ちの理由
現状と真逆の、熱劣化によりボコボコに変形して錆が大量に落下した状態になっていたらどうしようかと心配が先回りしていましたが全くの杞憂でした。
工場のSD01のヒートライザーは劣化が進んでいたのに、お客様のストーブは全く無傷なのは使用した素材が違う事が原因だと推測します。
SUSと言えども仕上げや圧延方法により熱劣化の進行が異なると言う知見を得たことは大きな財産。材質による寿命の差異を知った事は、今まで抱えていた製品寿命に関する心配ごとを消し去る大きな一歩です。
素材の特定
考察が終了したところで2019年の手帳とGmailを調べ、使用した素材と購入先を確定しました。 現在は6㎜の板を曲げ肉厚化による寿命の延長を狙っているけど、どこかのタイミングで初期モデルの素材に変更しようと思います。
まとめ
ヒミエルストーブのお客様ならびに導入をお考えのお客様に於かれましては、製品寿命も選択肢の大きな要素を占めるかと思います。
どうぞご安心ください、とりあえず3年間過酷な運用を行っても一切劣化を認知する事は無かったです。
個人的な見解になりますが、現状から突然加速度的な劣化が起こらな限りいつまでも性能を保ち続けると考えております。
今後も機会があればユーザー様の状況をご報告し。製品寿命の参考となれば幸いです。
ヒミエルストーブは高性能で長寿命。そう思える証拠を見る事が出来たことに感謝です。