溶接不良の発生と対応について
あってはならない事を初めて起こしてしまいました。
それはお客様へお届けした製品の溶接不良です。
不具合の原因
数日前に最も熱くなる部分の天板が下方向に垂れ下がっているというご連絡を頂いたのが全ての始まりになります。
後日現物を確認すると、天板の熱による膨張と収縮に溶接が耐えられなく割れていたので全て私の責任です。
そのような加工を行った狙いは、ワッパが乗るフランジ固定の溶接を少なくする事で天板の歪みを少なくできると考え試しに溶接量を少なく加工しました。
偶然組み立てていた写真が残っていたので確認したところ、このSD01は点付けで溶接加工を施していました。作った時はこの状態でも大丈夫だと思い込んでいたし、歪みが少ない状態で出荷できるのだから改良だと考えていたので割れの発生は晴天の霹靂です。
ではこのSD01以降の製品は大丈夫なのかと確認した所、次に作ったKD01の溶接はしっかりと走っているので大丈夫だと判断しました。 もしかして今回と同じ不具合が発生した場合、即刻部品交換に出向きますのでご安心下さい。2022年9月以前に納品したお客様は今回の事例には該当しません。
修理までの対応
お客様へすぐにお電話を入れさせて頂き、ご不便をおかけしますが交換部品を手配する間は沈み込んだ場所に鉄板を被せて使用して頂く事をお願いすると同時に週末に部品交換のお時間をご相談させて頂きました。
通常だと鉄板のカットは注文から1週間程度納期が必要なのですが、偶然1週間前にSD01の部材を注文していたのが納期短縮に効きました。
交換用に作った天板は僕が生きている間は絶対に外れない事を狙い溶接したので今度は大丈夫だと思いたい。
後は耐熱塗装を施し乾燥の上ラッピングで準備完了。
天板の不具合の他に、オーブンのドアが閉まらないとの相談もいただいていたので考えられる限りの道具を持参していざ現場へ。
天板は12本のネジで固定しているだけなので、ネジを取り外して煤でお部屋を汚さないようマスカーで養生の上、屋外へ持ち出しました。
ついでに内部に溜まった灰を集塵機で吸い上げ、ガスケットを新規に入れ替えて固定すれば作業は終了。
入れ替えが終われば塗装の焼き付けが必要になるので、今日は天板にお鍋を乗せるのを控えて頂くようにお願いして交換作業は終了です。新品部品は色が濃いので交換したのが一目瞭然ですね。
オーブンのドアが閉まらない不具合の理由はドアの内側に取り付けている緩み止めネジが緩み、オーブンの仕切りに接触していたので増し締めして復旧できました。
まとめ
私自身初めての製品不良を出荷してしまい、お客様へは大変ご迷惑おかけしてしまった事を深く反省しています。
そんな状況でも、お時間を調整頂き交換作業にお立ち合い頂いたお客様へは感謝しか御座いません。
この様な恥ずかしい失敗を秘匿する事は簡単ですが、私は広く公開することで今後の対策に活かすと同時に今までの、そしてこれからのお客様へ安心を届ける事ができればと考えております。