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特注モデルのSD01製作

 
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畑をしたり出張に行ってるばかりのブログですが、実はストーブの製作も並行して行っております。ストーブに費やす時間の隙間に新しいタスクを詰めていると言った方が良いかも知れません。

今回作るのは去年の夏に作ったSD01特注モデル。

スタンダートと比較して脚の形状が違うのと、窓ガラスの面積が最大限になる様ドアフレームが極限まで小さく作り込まれています。 そのため、スタンダートモデルと比較してオーブンが縦方向に3㎝低くなってます。

 

先ずはヒートライザーの組み付けからスタート。

この部分が最も高温になるのでステンレスの9mmと6mmの素材を組み合わせて摩耗に備えています。そして鉄との溶接は異材間溶接棒のDW309を使用するだけでなく過去に納品した製品で割れが発生した場所はあえて溶接を行わずに隙間を開けてZ型にかしめる事で材料間の収縮率の違いを逃がします。

鋼板が熱で伸びる力は強大で、いかに溶接を強く加工しても肉が溶け込んでいる母材の境界線から剥離するので、熱によるヒズミを自由に逃がす設計が理にかなっていると判断しました。

本体正面と底面は溶接によるヒズミ防止のため治具を仮止めして素材の水平を維持する事が必須となります。全く素人の頃はこんな当たり前の事すら気づかずに、いざ部品を合わせて組み付けようとすると寸法が合わずに困ったのも良い思い出でしょうか。

 

そして燃焼室とオーブンが組みあがった段階で保温カバーを被せれば本体内部の完成です。

文章にすればあっという間だけど、出来上がれば見えない中身にこだわりが詰まっているので結構シビアに組み付けてます。特に鉄板は簡単に歪んで弓なりに変形するから組み付ける場所に応じてリブを追加します。

 

この写真をぼんやりと見て閃いた事が有ります。

それは金属を使用する限り熱による摩耗から逃げる事が出来ないので、最も高温になる場所は耐火レンガで築炉するというプランです。随分前に実験を行ったのだけど、不完全燃焼の煙が消えなかったのでてっきりレンガを積み上げたヒートライザーが不具合の原因かと当時は判断しましたが、今になって思い返せば膨張室の容積不足が不完全燃焼の理由であったかもしれないと予想します。

 

本体と脚のロール曲げがこちらになります。

自称技術者の方から、特注モデルは外殻を一体で作った方がコスト優位だとのアドバイスをメールで頂いた事が有るのですがそんな事は100も承知の助だし、僕も簡単に出来るのであればとっくにその工法を採用しています。

外殻を作るという1工程だけに着目すれば一見合理的な判断に見えるけど、燃焼室と一体化した本体との整合性を実現するにはセパレート構造の方が作業性が明らかに楽なんです。僕だって少しでも楽して綺麗に作りたいからその辺りの実験は他の人より沢山頑張っている結果の上、今の方法が合理的と判断して採用してます。

SD01を作るのは2022年の9月以来なので前回作った作業工程なぞすっかり忘却の彼方へ消え去っていますが、実物を目の前にするとアイデアが閃き作業が前に進んで行くのが不思議だけど歳をとるとそうなって行くのかも知れませんね。

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