薪ストーブの換気量を実測する
薪ストーブって一体どれだけの空気をお部屋から吸い込んで煙突から放出しているのでしょう?
特に気密の高い家などは換気計画よりお部屋の空気を巡回させるように設計しているので具体的な参考数値が必要となる場面もあるかと思います。
ネットで検索しても具体的な数値を計測した記事を見つける事が出来なかったので、KD01の完成テストを行いながら吸気量を測定してみました。
計器の調達
換気量を測定するにはアネモマスターと言う風速計を利用して、空気が通過する筒の断面積×風速(m/h)で換気量を計算します。
多分何回も使わないと予想するので流石に新品を購入する勇気は持ち合わせておらず、中古を探していたのですがストーブの風速が不明だったので、どの大きさの計測器を買えば良いのかさっぱり分かりませんでした。
ポータブルなアネモマスターがオークションなどに出品されているのだけど、計測範囲が20m/sが最大風速だからもしかしてそれ以上の風量だったら全くの空振りになる訳なのでどの計測器を選定すれば良いのか非常に迷いました。
結局50m/sまで計測可能なワイドレンジを入手できたので良かったのだけど、機器の選定が第一のハードルでした。
計測自体は非常に簡単で、数年前にアメリカのメイスンリヒーターアソシエーション主催の年次ミーティングで燃焼試験の計測にアネモマスターを使っていた写真を思い出したので、アネモマスターメーカーのサイトを参考に工場で測定です。
具体的には、吸気ダクトにプローブを挿し込みテープで気密を保つ事ととプローブのセンシング部分がダクトの中心に来る様に高さを調整するだけでした。
後は普通に燃焼テストを行いオーブンの温度と換気量の数値をメモ。
計算式は断面積*風速m/s*時速に変換するので3600を掛けると換気量となるので
直径が100mmのダクトを使用しているから計算式は以下の様になり
0.05M^2*π*風速*3600で1時間当たりの換気量が計算できます。
上記をエクセルに入れて計測値を入力すれば簡単に値が出ました。
オーブン温度が150度を超える頃まで本体が暖まった時、おおよそ0.7~0.8m/sの流速でこの場合22.6m^3/h
ダンパーを絞り排気を絞ると風速は0.5m/sなので換気量は14.13m^3/h
とにかくヒミエルストーブの換気量は最大燃焼時で約23m^3/h 巡行運転で14m^3/hと言う結果になりました。
オーブンの温度計と換気量には正比例の一時曲線が綺麗に描けるかのように温度が上昇すれば換気量が増大し、ヒミエルストーブに関しては巡行運転に入れば最大で0.7~0.8m/sの流速が発生します。
ちょっと面白いので、次回は換気量とドラフトと温度のデータを取りエクセルで取りまとめて見たい要求が芽生えましたので今後も楽しめそうなトピックです。