製造者の責任とは
木曜日の煙突掃除のお客様は天板の溶接が小さい期間に製造したロットだったので、掃除も兼ねて溶接部分の点検を行いました。
何の話かと申しますと、お客様から天板のフランジが脱落しましたと言うご相談を2023年3月に頂き急いで代替部品を準備してお時間をご都合頂き天板の交換に急行したのです。
詳細は当時のブログに記載しておりますが、原因を端的に言えば溶接の距離が短く、熱による鉄板の伸びによる応力に耐えるだけの強度を確保する事が出来ず溶接破断に至りました。 原因は溶接時のヒズミを抑えるために溶接距離を短くしたことが原因になります。
その後、同じ考えで製作したストーブが2台有りまして1台は福島県、もう一台が木曜日に煙突掃除を行った物になります。
姫路から福島県までは少し遠いけれども、5月に偶然栃木県で下見の仕事が入ったので帰宅する予定を1日延長して福島県に立ち寄り、煙突掃除を行うついでにフランジの点検を行うと溶接距離の短い部分に1か所溶接割れを発見しました。
お客様へは3月に実施した不具合を説明させて頂き、現在の天板が使用できる間は現行のまま使用して頂いてフランジが破損、若しくは天板が著しく汚れたらお客のご都合が良いタイミングで新品天板を無償発送させて頂く事でご了承頂きました。
天板を使用し続けると吹きこぼれなどで汚れて行くので、どこかのタイミングで交換して頂くと外観をキレイさっぱりリフレッシュできるので当方のご提案を快諾して頂きました。
そして今週のお掃除のついでにフランジの溶接を確認したところ、溶接距離を十分に確保していたので全く問題有りませんでした。
そう言う訳で、2年前に製造してお客様へ納品を行い私が個人的に抱えていた品質に対する不安への対応は一応無事に終了しました。
新たなお客様を獲得するため、導入のメリットにフォーカスを当てて自社の製品をプロモートする事も大切だけど、お買い上げ頂いて実際に使用して頂いている方へは私自分の認知できる範囲と言う制約が発生しますが可能な限り調子の良い状態を維持出来る状態をご提供出来ればと思ってます。
思うだけなら簡単だけど、以前の私であれば周囲の反応を気にする自己中心的な考えが先に立ってしまい、このように実際に行動を起こして心配ごとをの確認を行いブログで公開する事はとても大きな心理的障害が有ったのも事実です。
自分の作った物に納得がいかない気持ちを抱えるのはしんどい、しかし公開するのはもっと怖いと自分の行動を決める事が出来ずに悶々とした時間を過ごすのは非常にしんどいと想像するので、今後も不具合が有ればブログにて対応も含めて公開する姿勢を大切にして行きます。
余り大きな声では言えませんが、工業製品に完璧な物なんてほとんど存在せず何らかの不具合が発生したプロダクトが普通に流通しています。ですので不具合を隠すのではなく、検出できた事を好機ととらえて更なるブラッシュアップにつなげて行きたい。