ヒミエルストーブ

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新たな開発が楽しくて仕方ない

 
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既存のヒミエルストーブ内部のヒートライザーに耐火レンガを2枚追加したら、サイクロンとは異なるポジティブな燃焼特性を確認出来たので更にもう歩みを進めるべく燃焼室へ耐火レンガを追加で投入してみました。

 

どの様に改造するかと言えば

  1. 燃焼室内部の部品をヒートライザー側(扉正面)の遮熱板以外全て取り出す
  2. 燃焼室側面の遮熱板を吊り下げるM12の穴付き6角ネジを4本取り外す
  3. 燃焼室の中へ現状の半丁耐火レンガから1丁の耐火レンガを3枚に変更。この場合遮熱板のリブは無視して空気導入口と干渉するのであればカットする。
  4. 側面に片側2枚づつ半丁の耐火レンガを立てかける。 下に1丁を3枚敷くと片側は本体底面に接触するが反対側は底面に接触しないので1丁の上に乗る感じで組み上げる

以上

狙いは燃焼室内部の蓄熱性を向上させて燃焼温度のバラツキを平準化する事と、ドラフトの強化を狙っています。

 

変更の結果は動画を見て頂ければ一目で分かるかと思います。

改造前は積極的に燃焼室で木質ガスを発生させ、サイクロンで高温を発生させて燃焼していましたが炉内の熱容量が向上したおかげで排気ダンパーを絞った状態でも安定した状態を長時間維持出来る様になりました。

 

耐火レンガを追加した効果は燃焼室の温度変化を緩やかに制御し、一旦高温状態を作り出せば燃焼室内部で木質ガスの燃焼を完結する事が出来るからヒートライザー内部で意図的に高温状態を作り出す状況が激減しました。

 

通常この様なスロー燃焼を継続すると燃焼室内部が冷めてしまい、煙突から煙がモクモク排出してしまうけれど不思議な事に無煙状態でスロー燃焼を継続し薪の投入量によって変化するけど、私の運用では表面温度150度程度でずっと運用してます。

 

300度を超える超高温状態で薪を沢山焚かなくても、温度変化の少ない緩やかな輻射熱をじんわりと感じる方が快適だと感じるのでとても気に入ってます。

 

以前は気密の不十分な空間へ意図的に大量の熱源を供給する事が得意でしたが、今は100度から150度の程度の表面温度で緩やかに加熱を継続するのでストーブの性格が大きく変化しました。

一番大きな変化がドラフトがとても強力になるので、改造前と比較して排気ダンパーを一段深く絞る事が可能となります。

実験的にオーブンへ耐火レンガを目一杯詰め込んで運用してみると、昇温が遅くなる代わりに冷めるのも緩やかになるのでお料理を使わない時に夜間の蓄熱性能が欲しいとお考えで有れば実験してみるのも良いかもしれません。

 

とにかく、今回耐火レンガを本体内部に追加する事で得られた知見は「炎と石は相性が良い」と言う事です。 質量が大きければ大きい程熱を貯め込む容器が大きいと同義なので立ち上がりは遅くなるけど、冷めるのはゆっくりだし身体で感じる輻射熱がとても快適。

それに熱による腐食も少ないので、薪ストーブを作るのには最適な素材では無いかと考える様になって来たのです。

ヒートライザー内部に2枚の耐火レンガを追加した燃焼動画がこちらになります。 ちょっと分かりにくいですが小さな渦が左右に巻きあがり煙や煤が一切ない状態を維持して連続燃焼します。 薪の量を多くして意図的に高温状態を作ってみると耐火レンガが真っ赤に変色しますが崩れるような事は無かったしもし割れた時は置いているだけなので他の部位に使っているレンガと交換すれば良いでしょう。

 

現在は同じ改良をSD01で行い効果を検証しています。

 

そしてさらに次の10年を見据えて、緩やかな燃焼、熱摩耗に強い構造、そして日常の道具として使いやすい薪ストーブを開発すべく新たなプロジェクトをスタートしました。 だれも作った事のない私の頭の中にある理想を実現すべく加工道具から試作を繰り返して実験の日々を過ごしており、物作りに熱中できる状態が何よりも楽しいと感じちゃってます。

 

私の特性として、頭の中にある理想を追い求め具象化する事に強い喜びを感じその過程で遭遇する悩み事や失敗も楽しみの一部だと捉えて前向きに進む事が好きなんです。

 

 

 

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Comment

  1. 三好 能瑞 より:

    この改造、私もやってみたいです。
    「M12の穴付き6角ネジ」を外した場合、その穴は開放状態になるのでしょうか?

    • 西岡 より:

      私は近所のホームセンターに在庫が無かったので、現在納品待ちですが。
      取り外したM12のねじ穴に、M12穴付き六角セットボルトをねじ込む事を推奨してます。

      改造後のご感想をぜひともお伺いさせて頂きたいです。

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