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煙突の壁だし設計

 
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今回の現場は前回のブログにも書いた通り、壁出しで煙突を設置します。

壁出しで煙突を設計する場合、基準となるの眼鏡の中心からすべての寸法を展開してゆくので、まず最初に希望の場所へ眼鏡石を設置できるかどうかが1番大切なチェックポイントとなります。

壁の中に何もなければどこでも希望した場所へストーブを設置できるけど、多くの場合窓を避けて筋交が入っているから設置場所の延長線上に筋交が来る場合は建物の構造を優先しつつ、希望の場所へ貫通しなくてはなりません。

設計で対応できない物をまず最初に優先して、その後にレイアウトを展開してゆく感じかな。

今回一番避ける事ができなかった制約は2つあって

1つは壁面の筋交

2つ目は外壁の縦リブ

外壁材に縦リブの入ったガルバリウムを使用しており、強度保全の観点からリブを切ることができないので、リブの中央に煙突貫通穴を開ける事になりました。

そして、メガネ石のセンターが煙突を継ぎ足してちょうど良い高さになりつつ、筋交を避けなければなりません。

今回は幸運な事に室内の施工をまだ行なっていなかったので、固定金具の下地を準備していただける事になりました。

特に屋外金具の下地は非常に重要で、煙突強度は下地に掛かっていると同義。

リフォームの時は胴縁の位置が分かっていれば下地として利用できるけど、分からない場合は壁を一旦壊して下地を準備しないと煙突の固定ができないのでその時は相談ですね。

図面では約3Mの煙突が壁から立ち上がっているんだけど、千葉県で大きな被害を出した台風並みの風速40Mが吹けば煙突全体で約700kgもの圧力を受けることになります。

単に煙突を保持するだけなら部品重量は20kg程度なのでハの字になった支え足で十分という考えもあるけど私は安全余裕率を大きく見積もる方が安心なので下地に24mmの合板を入れてもらいます。

煙突の縦荷重を受けるのもちょっと工夫を行いました。

縦リブの内寸が300mmなので煙突の縦荷重を強化メガネ石等で受ける事ができないから、この現場ではT管の下側に300の煙突を追加して固定する事でブレスの役割を担います。

T管の下へ取り付ける三角形の形をした縦荷重を受けるブレスも販売しているのだけど、今回はスペースの制約により設置出来ないし力を受ける役割は一緒なのでこちらの方が見栄えがスッキリ。

煙突設置のレイアウトが終了したので、あとは下地の場所を工務店さんへ施工可能かお問い合わせします。

このほかにも、色々考えるべき部分はありますがおおまかにはこんな感じで設計してます。ストーブの性能は煙突の設計で決まるのでストーブ本体を作るのと同じくらい大切なパートだし、毎回最適な方法を組み合わせてお客様へご提案するよう心がけてます。

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