SD01 改良モデル堂々の完成
2月末に材料が入荷して、コツコツと組み立ていたSD01の改良バージョン初号機が堂々の完成。
初めて採用した構造なのでとにかく制作時間を費やしました。当初の設計では見切れなかった部分の追加工や組み立てる順番など1歩進んで2歩さがる的な作業でしたが自分の中では一切の手抜き無くやり切った満足感に満たされております。
完成するとまずはお約束のテスト燃焼を実施。
構造自体は工場に設置しているサンプル機と同一なのでおそらく大丈夫なはず?と希望的観測を抱いてテストに臨んだ所、途中までずっと煙が消えないトラブルに遭遇。
想定外の結果に焦る気持ちを抑え、冷静に原因を考えると虫食いで乾燥が甘い桜の薪がどうも怪しかったので3年乾燥の広葉樹を試しに投入してみると、しっかりとした暖かさと無煙状態が継続。
異常の原因は薪でした。
使用する薪の状態管理は本当に大切だと頭では分かっているけど、いつもの流れで屋外に保管しているものを何となく投入すると性能が大きくスポイルされちゃいますね。 そういえば、今使用しているロットを燃やしても暖かさが少ないと感じるのは薪が良くない事が原因なのでしょう。
薪を普通に戻してからは、全く不満の無い状態で燃焼を継続しました。
お気に入りポイントは複数あるのだけどまず最初は火力調整。
ロケットストーブの構造でここまでスロー燃焼且つ無煙状態を作り出せる機種を私はほかに知りません。 べつにゆっくり燃焼できることが秀逸という考えでは無くて全開からスローまで欲しい暖房能力に寄り添った広いコントロール幅が好きなだけです。
こんなゆっくりな燃焼でも目視では煙突から発生する煙を確認することは出来ません。
そして脚を除くすべての部分からまんべんなく熱を放射するのでお部屋を十分に暖房してくれると予想します。 ロケットマスヒーターの燃焼能力はヒートライザーの直径で出力が拘束され、表面積で熱効率が決定されます。
そして表面積と煙突出口の位置で暖房能力のパラメータが決定され、私の場合だと200度で煙突へ廃熱する設計となってます。
そんな事だれも教えてくれないので、実験を繰り返して排気温度を測定したのも良い思い出かな。
実験も終盤に差し掛かり、朝から4時間連続燃焼したガラスがこちら。
ドアを開けても一切の曇りを確認することが出来ずに、最初と同じ状態を維持してました。
ヒートライザーを改良してからガラスの曇りが激減したのは勘違いでは無かったですね。
40㎝にカットした薪を投入できる広い燃焼室、曇らないクリアな視界、ワイドな火力調整能力、高い放熱性能、煙すら燃焼する高い燃焼効率。
自分が目指していた形が一定の水準をすべて満たして完成したと思ってます。
実際に使って見ると、突出した要素がなくて必要な機能が自然と備わっているから驚くような感動とかは無くて、じんわりと「これ良いよね」と感じちゃうのだな。
このストーブを初めて使うのであれば、他と比較することで違いが鮮明にわかるでしょう。