ロケットストーブの煙突
ロケットストーブは今までの薪ストーブでは不可能だったシングル煙突で横引きが可能です。
前の実験では、横引き4M、縦3Mでしっかり燃焼する事を確認出来たけれど実際に設置するのなら
縦引きの煙突部分はもっと長くなるので、実際の設置を想定した長さで実験を行い
焚き付け時の排煙がどのように変化するのか確認してみた。
煙の逆流
工場の室内に、自分一人で設置出来る煙突の高さが最高6Mなので
今回は縦を6Mで横引きの長さを変化させてみた。
最初は前回の実験に縦を2M追加して
横引き4M 縦引き6Mで焚き付けを行いました。
結果は・・・・煙が煙突トップから排出されること無く、吸気窓から大量の煙が室内へ逆流!
ロケットストーブの構造的な問題で、横引きが長いと最初の焚きつけの時に、
煙突内部にとどまっている冷たい空気を押し上げる力が足らずに、抵抗の少ない
室内側へ煙がモクモクと排出されてしまう。
こうなってしまうと、暖かい煙の流れが吸気口に抜けるラインが出来上がってしまい
煙突側へ煙を流すのは一苦労です。
そんなときは、縦引きのT管下面よりバーナーで暖気を送り込み、煙突に上昇気流の呼び水を
送る事で簡単に煙突側へ煙の流れを作る事が出来ます。
一旦縦部分に上昇気流の流れが出来上がれば、その後は順調に燃焼します。
通常の薪ストーブでは2重煙突が必須なのに、シングル煙突で、横引き4Mもしているのに
おき火が真っ赤に燃え上がる性能にびっくりです。
輸入物の高級機に2重煙突を施工したストーブと同じ光景を見ているようです。
輸入物のストーブをベンチマークに自作のストーブでここまで作り込める様になってきたことに、ちょっとだけ感動します。
だってシングル煙突で横引き4Mなのにこの燃焼って。。。素敵じゃなーい と自己満足。
ガラスは強力なエアカーテンの働きで透明を保ったまま炎を楽しむ事が出来ます。
ロケットストーブマニュアル本に書いていますが、横引きが長い場合、最初の焚きつけは
雷管と呼ばれる煙突立ち上がり部分で上昇気流発生が必要だと理解出来ました。
横引きの距離を短縮
横引き4Mはバーナーを使った上昇気流が必要だったので、横引きの距離を半分の2Mに短縮して再度実験をしました。
焚き付けに、少量の灯油を掛けて点火を行うと、バーナーを使う必要は無く燃焼が始まった。
横引きは2Mだったらバーナーによる予備燃焼は必要ないと言う事が今回の実験で分かった。
古民家へロケットストーブを導入してみたい
自作を始めて、通常のストーブとロケットストーブの2種類を作り比べ、どちらが優れていると言うのでは無く
双方構造に基づく個性があるので、設置場所や好みで選べれば良いと思います。
しかし、実際に設置している現場を見た数は少ないですが古民家の日本家屋に
屋根抜きの2重煙突を設置する事は費用や、雨じまいの関係でハードルが高いと感じました。
屋根瓦に沿わせる鉛シート付きのフラッシングも、酸性雨に弱いので永久的に持たないし
色々な方法があるけれど、簡単に設置はできないと感じます。
けれど、ロケットストーブなら簡単な壁抜きで煙突を外へ出すことが出来るので軒先へT管を
突きだして縦部分を風圧帯から立ち上げれば簡単に煙突設置のハードルを乗り越える事が
できると思いました。
いずれにせよ、今回作ったロケットストーブも真冬に実験を行い、焚き付けの時に煙突の予備加熱
無しでもしっかりと燃えるか確認しなければいけませんね。