ヒミエルストーブ

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水蒸気を発生するロケットストーブ

 
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先週から朝の気温が1桁になって冬らしくなって来ました、そんな時は絶好のロケットストーブのテスト日和。気温が低い時ほど条件を変えながら色々テストが出来るのであっという間に時間が過ぎ去ります。

水蒸気を大量に発生する薪ストーブ

気温が一桁の時に、とある条件で巡航運転を行うと大量に水蒸気が発生する事に気付きました。

煙が白いので、未燃焼の煙かと思い不安になったので、ハシゴを掛けて実際に確認すると水蒸気で間違いは無かったです

もしこれが煙ならばこのような感じなので色が全く異なります。

煙突トップの温度は素手で触れる位なので40°くらいでしょうか。 外気に冷却され水蒸気が出ると言う事は排気の温度がとても低いと言う事です。

通常であれば、煙突から高温に熱せられた気体と伴に屋外へ放出される熱量を、しっかりと暖房に熱交換出来た証しでしょうか。

沢山薪を投入して、必要以上の大きな炎を作り出し燃焼カロリーを大きくすると、煙突から排出される熱量が多くなるので水蒸気は出なくなります。

小さな炎で、しっりとした燃焼を継続できる構造を薪ストーブ内部に設けなければこのような燃焼状態を作り出す事は出来ません。

過去に作った薪ストーブで、煙突から水蒸気を発しながら巡航運転できる製品は1つも作る事が出来ませんでした。 水蒸気がでると言う事は排気温度が低い→ドラフトが弱い→キレイに燃焼しない。と言う因果関係が成立するからです。

燃焼時の写真

大きな炎を起こさなくても、一旦本体が暖まれば小さな炎で薪の端っこから燃焼して行きます。丁度、電子制御された薪ボイラーの様に木材をガス化燃焼しています。

メリット

薪を投入して燃え尽きるまでの燃焼時間が弊社従来製品と比較してとても長いです。

近づけない様な強烈な輻射熱を発しない代わりに、緩やかに表面温度が200°~300°の状態を維持します。

韓国のオンドルや、欧州のメイスンリヒーターが薪を燃焼して発生した熱を石に蓄熱して、長時間放熱する様な機構でしたが、このロケットストーブは緩やかに燃焼する事によって長時間の放熱を可能にしています。

例年、冬の昼休みは薪ストーブで暖房を取りながらお昼寝するのが日課なのですが、通常の薪ストーブだと寝ている最中に薪が燃え尽き、寒さに震えて目が覚める事が多々有りました。

煙突がシングルだったので、空気を絞る微燃焼運転が出来ず、薪を燃やし尽くしていた事も原因の1つです。

しかし、今回のロケットストーブのテストを行う様になってからは、お昼寝中に薪が燃え尽きる事が無くなりました。 それどころか、節のある硬い部分を燃やすと他の薪と炊き合わせですが約2時間弱燃焼します。

緩やかに燃焼して、木材を燃焼して発生した熱を暖房に使用出来るってお得では無いでしょうか。

デメリット

シングル煙突では、薪を投入した時点で湯気が大量に発生します。

煙突からの廃熱が少ないので当然の摂理なのですが、湯気が結露して木酢液が垂れて来ます。

対策は2通りあって

  1. 2重煙突を用いて排煙温度を下げない
  2. 低燃費燃焼を犠牲にして大きな炎で運用する

木酢液の発生原因は排煙温度が低いことなので、発生する温度を高くするか、排気に含まれる水蒸気が露点に達さないように保温するかの2択を思いつきました。

壁出しにして、木酢液が出ても全くOKならば問題はありません。

まとめ

水蒸気が出る位低い排気温度で、緩やかに燃焼する薪ストーブを作る事が今年の目標でした。

その様なロケットストーブを販売しているのは私の知る限り1社だけです。その会社のブログを拝見する限り、自社の製品への誇りと自信に尊敬の念を抱きました。

そして、私も憧れからその様な製品作りを目指したのですが、どうしても超える事の出来ない壁にぶつかりました。しかし、偶然ブレークスルーのヒントを発見し、実験を繰り返す中で物作りへ反映する事が出来たのです。

その辺りの開発秘話は今後少しずつ書いて行きたいと思います。

とにかく、現時点で狙った性能に到達したことが嬉しいです。

自己評価は良いので、次は第三者の評論をきいて見たいと思います。

 

 

 

 

 

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