燃費の良い薪ストーブ

 

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使いやすい薪ストーブってなんだろう。 

私は屋内の暖房に使うのならば、薪の消費が少なく一旦温まると温度変化が少ない薪ストーブが使いやすいと考えます。

勿論市販されている製品もそのような性能を目指して作られているのでしょうが、自分が求める性能を備えた薪ストーブを市販品で見つけることが出来なかったので、昨年から開発に挑戦しました。

一つの薪ストーブを使い続けても、使い勝手の比較などできないので、今まで市販の薪ストーブ購入、自作のクリーンバーン燃焼そしてロケットストーブ方式等の実験などを行って来ました。

それぞれ良い点がありますが、私の求める薪の消費が少なく、温度変化の少ない薪ストーブを実現するには今のところ、ロケットストーブ燃焼方式を使うことが合理的だと判断しています。

何故ロケットストーブ燃焼方式の方が合理的と考えるかと言うと、クリーンバーン燃焼と比較して断熱して高温に昇温する部分と、放熱部位を装置の内部で切り分けることにより、クリーンバーン燃焼では2重煙突で屋外に放出する燃焼カロリーを屋内の暖房に使用出来るのと、吸気流速にもよりますが木材の端っこから燃焼して行くので薪が燃え尽きるまでの時間が長く燃費が良いからです。

しかし、利用状況で最善は相対的に変化するし、ユーザーの好みも多様なので何が良いかなんて一言では言えません。すべての要望を満たすことなどできませんが、自分が考える使いやすい薪ストーブに近い製品を作り出すことが出来たと今回は思っています。

薪ストーブの核心

今から5年以上前に、仕事で対面した熱処理炉の設計者と薪ストーブについて雑談していたところ自然吸気装置の勘所は
「熱い部分と冷たい部分の温度差をしっかり作り出す」と簡潔に教えてもらいました。

当時は助言の概念を理解できませんでしたが、今ははっきりと意識して製品に作り込んでいます。

完成したロケットストーブの特徴は薪が端からゆっくりと燃焼するので以前と比べ炎の管理が楽です。
以前なら薪を投入して、1時間くらい仕事に没頭すると熾火になるか鎮火してしまって温まりたい時に再点火の作業が必要になったのですが、今は1時間程度なら、2寸角の角材2本くらいで十分燃焼を維持することが出来ます。

それでは、薪ストーブの燃焼を決める肝となる技術は何かと言うと、過去に熱処理技術者に教わったポイント「高温をつくりだす」という事だと思います。
薪ストーブは、装置のどこかに高温となる部分を作り出し、暖められた空気の浮力で箱に空気を吸い込みます。

丁度高温になる部分は有圧換気扇の様に強力な浮力を作り出し、箱の中を負圧にして吸気するのです。

ここは重要なので、さらに詳しく書きますが、
炎を大きくする為に扉を開放してもたくさん空気を吸い込むわけではありません。
暖められた空気の浮力でストーブ内部が負圧になって吸気するのです

そして薪を投入してから熾火になるまで、如何に長時間高温を維持できるかがストーブ作りの肝だと考えます。

時計型ストーブの場合

短時間に高熱を出すだけなら、ホームセンターで販売している時計型ストーブにシングル煙突でも十分高熱を作り出すことが可能です。
しかし、時計型ストーブの単位時間当たりの熱放出はベルを逆向きにしたカーブを描きます。
樹種により異なりますが、丁度紙を燃やすように薪が一気に燃えて、高温状態になります。 
しかし薪から放出される木質ガスがピークを過ぎると、燃焼温度がガクンと下がり、煙突内部の平均気温を高温に維持することが出来ないので吸気する力が弱くなります。
シングル煙突では燃焼のピークが過ぎてしまうと煙突内部の平均気温が低下して、浮力が弱まり、結果吸気力が弱くなってしまうので、吸気を絞ると炎が鎮火の方向へ進みます。
ですので、暖かさを持続させようと思うと、吸気を全開で薪を豪快に連続燃焼する運用が多くなります。

すぐに温まりたいときや、寒い屋外で強烈な輻射熱が欲しい時は薪の消費は多いですが、私は時計型薪ストーブの原理を使ったストーブを暖房に使うことが好きです。

しかし、住宅で使うには温度の変化が大きく、とろ火の長時間運転が出来ないので、入門には十二分に楽しめますがもう一段階運用が楽な装置を欲してしまいます。

クリーンバーン燃焼ストーブ

初号機

専門メーカーも含め、多くの作家さんが作られており、デザインや大きさなどユーザーの好みで選び放題。多くの先行企業がひしめく、最も競争が激しいフィールドでは無いでしょうか。

雑誌やネットでも、多段燃焼や炎のゆらぎなど、多くの情報を得ることが出来ると思います。

燃費に関しては、2重煙突で煙突内部の平均気温を維持して吸気力を作り出す方式が多く、煙突の施工さえしっかりと行えば、中国製の薪ストーブでも十二分に楽しめるかと思います。

弊社でも数種類のクリーンバーン燃焼ストーブを作りましたが、内部の温度変化を観察する視点が欠けていたので今後調査して行きたいと思います

ロケットストーブ燃焼方式

2重に断熱された昇温部分を備えた薪ストーブ装置をロケットストーブと称呼します。

燃焼から発生する木質ガスを、高温に保つ事により強力な上昇気流が発生します。ロケットストーブ燃焼方式は、薪の投入量で火力調節するとロケットストーブ普及協会のマニュアル本には記載されていましたが、私の実験では吸排気の調整が火力調整に効果があると思っています。

レンガで作ったベンチや、土の燃焼部分などデザインも多用でお洒落ですが、私自身そのような装置を気軽に作る事が出来ないので、通常の薪ストーブのデザインにロケットストーブの機構を入れ込みました。

最初はセオリー通りに作り、燃焼実験を行っていましたがテストを繰り返すうちに幾つかの改良点を発見したのです。

改良点の効果は未知数で、単なる好奇心から改良がスタートして、最初は自己満足で終わるかと思っていました。 しかし、改良の効果を探るうちに予想外の方向へ話が進んで行くのでした。

 

 

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