長野の現場でレンガ積をしながら温泉に浸かり皆とワイワイ過ごしたいと思っているのですが、私には自社工場で完遂しなくてはならないミッションを抱えておりました。
それは、蓄熱ストーブの天板製作。
一見、単にデカい鉄板がレンガの上に載っていると思うじゃないですか?
でも実際はマジで難しい。
では何が難しいのか、通常の薪ストーブと比較する事で実態が良くわかると思う。
熱による急冷が諸悪の根源

写真の天板は去年、実験を行った時に撮影した写真です。簡易的に天板を作り、火入れを試行い1度目のロウリユウを行なっていた途中で大きく曲がってしまった。
理由は簡単で、熱く焼けた鉄板に水を掛けると、冷えた部分が収縮して縮むのでこのような結果になります。
室内暖房に使用するストーブだとこんな事にならないサウナ特有の症状。
通常のサウナストーブだと天板を開放する事も無いので、裏側に強力なリブを設置するなどの対策を施す余地が有るのだけど開閉式にすると重量増加とスペースの関係からヒズミ発生対策に使用できる回避策に制限が発生します。
そのあたりの制約を考えながら設計を行うので、出来上がりは非常にシンプルなんだけど発生するアクシデントを予め計算に入れて作りこんでます。

そして今回の天板がこちら。
約1M角の半分が扉という重量級ドアがアクセントの製作物。
ドアを開けようとすれば17㎏の力でレバーを持ち上げなくてはだめで、特に閉める時に重さが原因で勢いよく閉まる事に危険を感じるので石でバランスを取る構造を採用。

完成形から逆算して最適な位置と重量をいくつも試しながらこの2個を使用する事に決定。
先週、石材商社にて仕入れたサウナストーンが役立ったのが非常に幸運。
とにかく、リニューアルオーブンの日から逆算してストーブを乾燥させる時間を考えると石を買い出しに行く半日の時間が勿体ない。
それに、今まで沢山のtenさんの仲間たちが笑顔でDIYのお手伝いを行いリニューアルと言うゴールに向け全速力で向かっていたのに私が原因で遅延させるわけには行かないので久しぶりに時間に追われながら仕事してました。

時間に追われている状況でも、寸法間違から部品をカットして作り直すなど少々の回り道が有ったけど何とか下塗りまで完了して1晩放置。
塗装に関して知識が無いときは下塗りをしていなかったのだけど、薪ストーブでサウナ利用を行う場合下塗りは必須。
驚くほど防錆性能が向上するのだけど、乾燥工程を含めると2日塗装に時間を費やすので値打ちが有る工程になります。

そして完成の雄姿がこちら。
現場で煙突接続作業が出来る様に設計しているし、天板が歪まないよう裏側の補強、炎の通路など総合的に勘案して作っている。
ドア開閉の軸受けはベアリングを使うと熱と水で速攻錆びてしまうので単にU字金具で受けているだけ。
その他安全対策もしっかりと施し、組み付けテストを行い何とか納期に間に合わす事が出来ました。
今回の仕事は納期 構造などの制約が非常に多く、作りながら考えて行く部分の方が多かったのですが毎回素敵なアイデアが空から降って来て窮地をスルスルと切り抜ける事が出来ました。
あとは現地に発送して、どのような使用感なのか感想を聞くのが楽しみだ。
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