ドアの設計

本体とドアの形状が決まったので、次はドアの詳細設計に入ります。
レンガと鉄で作るドアは熱が加わった場合の伸びる割合が異なるので、間に緩衝材を挟んで鉄が自由に移動する様に固定します。 オクドさんなどで良く見かける、焚口周囲の目地材が割れて金具が外れそうになっているのは鉄と目地の境目が熱による膨張差で割れてしまう事が原因。
なので、鉄とレンガの間には何らかのバインダーを取り付けるのですが使用するマテリアルは人それぞれ。 荷重がかかる場所で寸法の変位を少なくしたければ平らな耐熱ガスケットを使用し、気密性を確保したいのであればイソウール断熱材を使用します。
どちらの素材を選んでも正解のなのですが、個人的に気密性を確保したいのと手元に材料があるのでイソウール断熱材をチョイス。

断熱材がどれだけ圧縮されるかを調査。
鉄の枠を作り、間に断熱材を挟んでレンガを積み上げるのですが断熱材がレンガの重さでどれだけ圧縮されるのかにより鉄枠の製作寸法が変わってくるので、実際のモデルを使用して変位量を確認しました。
この様な考えても分からない事は実際にテストを行い実測しないとタスクが進まないので、頭の中に疑問が浮かぶと速やかに実験を行って解決してゆくのが私流。
金具の幅や形状、組み付け型など無限にある選択肢の中で、出来上がりの見栄えから逆算して寸法を決めて行く作業はパズルみたいで面白いです。
今までレンガの鉄扉を作る事は無かったですが、何個か作って全体の流れを掴めて来たら扉だけの販売も視野に入れたい。
レンガに扉を取り付ける時に気を付けなきゃ駄目なのは、とにかく扉が外れない様に配慮する事。
よくある失敗事例は、鉛の詰め物に鉄板ビスを打ち付けて固定すると鉛が高温で溶けてしまいビスが脱落してしまったり、本体にタップを立てて鉄の内側からネジでレンガを押さえる形状を採用したところ経年劣化と振動でネジとレンガの隙間が大きくなってガタが発生したりするなど、良かれと思い採用した方法が実際に使用してみると失敗だったと言う事例は沢山有ります。
そして、このような失敗事例と言うのはネットや動画にアップされる事は殆ど無く、実際に体験した人から個人的に教えて貰うしか方法がありません。幸運な事に私には雑誌に作品が多数記載されている蓄熱ビルダーの友人が数人居るので、一人で悩む時は気軽に相談できるのが強みです。
大体の疑問点は解消出来たので、後はCADで製図を行い部品の製作に着手したいと思います。