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蓄熱ストーブの開発状況

 
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お客様よりご注文を頂き6月初旬まで忙しかったストーブ製作も順次納品の予定が決まって来たので今年のテーマである蓄熱ストーブの製作を再開。

本当に何通りもプランを考え、自分が今何を作りたいのかを基準に試作を繰り返していきついた答えがテント用に作ったサウナストーブに近似している事にびっくりです。

 最初は市販されている蓄熱ストーブの様に鉄フレーム内部へ石やレンガを張り合わせて蓄熱する方式を考えたのだけど、鉄部品を作る手間に左官業務が追加され1台を製作する時間が長くなるので却下。

 海外のサイトを調べれば蓄熱式の図面や方式はそれこそ山の様にヒットするので目移りしちゃうけど日本の一般的な住宅へ設置する事を考えると大きすぎるのも良くないし、個人的な好みになるのだけど燃焼によって発生した暖気をストーブ内部で上げ下げして本体に吸収するのは掃除が大変なので止めておくことに。

 炎を天板に衝突させ、180度暖気の方向を転換するレイアウトって蓄熱式では一般的だけど焚き付け時に暖気をバイパスするルートが必要になるし本体内部に溜まった灰や煤を綺麗にお掃除するのが本当に大変。 そして熱くなる部分に可動部品があると、長い目で見れば壊れる可能性を内包する事になるので今回は超絶シンプルな構成。

暖気回収システム

私が採用した構造の元ネタはサウナストーブバージョン3。

内部は燃焼室の上に水平に仕切られた耐火レンガへ炎が衝突して蓄熱する構造。 この方式をチャンネル方式と言い、サウナ利用をメインに考えるのであれば水平板を設置するのではなく内部に石を積み上げるだけで十分使用に耐える事が可能。

 そして燃焼室の上に蓄熱層を乗せる事が非常に大切で、オクドさんの製作で学んだ直火の火力を最大限活用して本体内部へ熱を貯めて行きます。 

今はレンガを10~13段積み上げて実験しているけど、ロシアの図面などを見ると実験の倍以上の高さまでレンガを積み上げているストーブも多い。 レンガの数を増やし、煙道の距離を稼ぐほどに廃熱温度が下がって暖房に使用できる熱量が増える設計なのだが熱を奪いすぎると木酢液が発生して煙突の取り出し口が水浸しになるので注意が必要。

そして、忘れるくらいレンガを積みなおしながら一旦行きついた形がこちら。

本体底部に灰取り口とロストルを備え、大きめの燃焼室の上に蓄熱層を配置。 この形状とレンガの使用枚数だとおおよそ2~3時間の燃焼で本体が十分に温まり約半日暖房を継続すると予想してます。

扉の設計は結構悩みました。

アングルを使って枠を作るアプローチを採用すれば簡単なんだけど、本体が四角いので扉へRの線を入れて柔らかさを出したい。そうすると鋼板を切ってRを作るのだけどシンプルな形でガスケットも装備するって意外と大変。

そんな時私が採用する打開策は、「段ボールを使って実寸大のモックを製作する」です。

考えが拡散しているときはCADソフトを開いてもアイデアがまとまらないので手が動かない。そんな時はとりあえずで良いから段ボールを実寸で切り抜き手を動かしながら見えてくる障害のクリアランスを行うことで進むべき方向がクリアに見えてくる。

出来上がればスプレーで黒に塗装を行い、実際の見栄えを確認して微調整を繰り返せば机に座ってただ考えるより格段に速く設計できるのでお気に入りの手法なんです。

 それに、プランが確定していない段階で鉄板を加工しちゃうとやり直しに時間と材料を浪費するのでこの方法が現時点で最強。

 あとは追加で必要なレンガを注文したり、扉の部品を製図して7月中に試作品を発表できるように作業を進めて行きます。

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