ロケットストーブの構造と部品点数

作って見て分かったのですが、ロケットストーブは思っていた以上に部品点数が多いです。
このタイプのストーブに比べ約2倍必要になります。
部品が2倍と言う事は溶接が必要な距離は3~4倍なので製作に必要な日数も沢山必要になります。
私的ロケットストーブの解釈
筒の中で薪を燃やせば・・・はいロケットストーブのできあがりです。
このアプローチで間違い有りません。
単に煙突内部の上昇気流がドラフトを発生させ、細い薪などが勢いよく燃えます。
この原理を利用して商品化された製品も多くあって、キャンプやBBQなどには手軽で便利だと思います。
私的にはこのジャンルには今のところ興味は無くて、煙突部分を保温して800度以上の高温を保ちながら、ダウンドラフトを発生させる方式が好きです。
炎を暖房に使うのが通常型の薪ストーブ

初号機
このような薪ストーブは燃焼によって発生した熱を本体より放出することで暖房を行っています。
本体には木を燃焼させて発生した煙(木質ガス)に空気を送り込みガスの2次燃焼を促して燃焼効率の向上を図っています。
なので2次燃焼部分は高温になります。
そしてストーブが力強く燃える主要因は、煙突内部の平均温度と体積の積で決まります。もっと簡単に例えると煙突内部にお湯が満たされて、お湯の温度が高いほど、煙突の体積が大きいほどストーブの吸機力が強くなります。
これは煙突効果と言う物理現象なので、いかんともしがたい原則です。
要は、木を燃焼して発生したエネルギーは本体から放熱して、残りの熱は煙突を通過する事でドラフトを発生する事に使用します。
イメージとしては炎を直接室内暖房に使っている事に近いと思っています。
燃焼ガスを暖房に使うのがロケットストーブ

rocketstove-body

rocket-stove-fire-top
よく見るJ型のロケットストーブです。
左側の青色変色部分が燃焼室になっており、横になっている部分から炎の出口までを保温体で取り囲むことによりロケットストーブの構造となっています。
薪の燃焼によって発生した熱を全て保温体で取り囲んだ2重煙突部分(以下ヒートライザーと呼称)に導き、木質ガスと酸素を混合させて燃焼を完結させるシステムです。
このストーブは燃焼部分にオーブンをドッキングして、キッチンストーブとして運用しています。


ロケットストーブの炎と熱はヒートライザーに集中することで高温の発生を可能にしており、ヒートライザーをパーライトや粘土などの保温体で覆うことで高温を維持しています。
ヒートライザーの長さは60~90cmですが、温度が800度を超えるので強力なドラフトを発生させる事が可能になっています。
写真のキッチンストーブでは、高温に熱せられた空気が天板に衝突し、180度進行方向を変えて下向きに流れ、オーブンの周囲を回りながら煙突へ排気します。
考え方を変えれば、燃焼装置以外は形がいびつな煙突とも捉える事が出来ます。
私の捉えるロケットストーブとは、燃焼によって発生した木質ガスを効率よく燃焼させる、木質ガス燃焼システムです。
本体からの放熱を行う通常型の薪ストーブとは異なり、装置内部に温度の高い部分を作る事で、ドラフトの発生と、2次燃焼を完結しています。
ロケットストーブは部品点数が多い
私が最初に作った薪ストーブの内部です。
写真をみても分かる様に、このタイプの薪ストーブは鉄の箱の中で薪が燃えるので、部品点数も少なくシンプルです。
しかし、ロケットストーブは燃焼部分を放熱体が覆う構造になるので、部品点数が増加してしまうのは仕方有りません。

完成ロケットストーブ

このような、つぎはぎの試作でも、本体の燃焼パイプを保温体で覆い、内部にパーライトを充填して、その周囲を四角い鉄板で覆っています。
まとめ
薪を1kg燃焼させて発生する熱量はどのような装置を使っても同じ量です。
では何故ロケットストーブの効率が良いと言われるのか考察すると、通常型薪ストーブは煙突で上昇気流を発生させるエネルギーを得る為に燃焼した熱量の何割かを大気に放出しています。
ロケットストーブはヒートライザーの昇温で上昇気流のエネルギーを発生させ、煙突に達する前に熱エネルギーを室内へ放出する事で、野外へ排出する熱の低減を図っている所が効率が良いと言われるポイントだと思います。
弊社の物作りの考え方は、一度お買い上げ頂いたら、長い間使えるようにしたいので、高温燃焼が起こる部分は全て肉厚のステンレスを採用しています。
保温体も、キャスタブルとパーライトの混合を、とある技術で封入する事により熱による素材の膨張と収縮から発生する保温剤の割れを防止しています。
通常型の薪ストーブも素晴らしいのですが、一度ロケットストーブを使うと、何故かロケットストーブに魅了されてしまいました。
通常型の薪ストーブとは異なり2重構造なので、部品点数も増加して、その分コストアップしてしまいます。
本体内部に2重煙突部分を設置しなければならないので、デザインに制約が発生したり、四角い形だと誰が作っても同じ様な雰囲気になりますが
ウチの形状は円柱です。
四角だと角の部分に熱風移動のムラが出来、一番抵抗の少ない部分に燃焼ガスの流れが集中しますが、この形状は効率よく発生した高温の燃焼ガスが本体の表面を流れて行くので大きな表面全体が暖かい熱を放出します。