新作ストーブ制作の進捗
富山へSD01を設置に行く前に材料を発注した新作モデルの製作は順調に進みもう少しでテストかな?と言う段階で鋼材商社の材料手配ミスにより完成が約2週間遅れてしまう事になりました。
姫路に帰ってきてすぐに手配した材料が入荷したので、まずは部品の検品と可能な限り仮組を行い全体の整合性を確認した後本格的な組み付けに着手します。
今回は以前から試してみたかったデザインを吸気部分に搭載してみました。
それは、吸気調整のバタフライ部分で完全に閉じた場合本体とフラットになるよう設計してます。
以前作ったサウナストーブでは吸気を調整する部分がドア面より飛び出していたけど、空気をしっかりと遮断するのであれもっと理想的な形があるのでは?と考え試しに導入。
熱によるひずみや経年摩耗など先の変化を読み切れない部分もあるんだけど、未経験の形状を試すって大切な経験だから楽しんで作りこんでいる。
しかし、未経験の機構と言うのは事前の設計通りに行かないもので、うまい具合に作動するには部品の微調整が必須であり、やっと気持ちよく動いた時は嬉しさも格別。
本当は床面から給気を予熱する機構の搭載も考えたんだけど、今回はなるべくリーズナブルに仕上げることが命題だったので次のモデルを作るまでのお楽しみに取っておきます。
給気予熱ってどうなんですかね?って質問がおかしいんですが、今現在市販されているストーブは空気の回路がとても狭いモデルが多いです。
吸気予熱が搭載されてるストーブって冷たい空気を余熱して燃焼室へ給気出来るから高性能をアシストすると言う意見もあるけど、それは構造のある一面を切り取ったに過ぎず狭い吸気経路はかなり大きな吸気抵抗となっているので立ち上がりのドラフトが弱いときは障害になっていることも事実。
そんなモデルは温まった時をピークに作っているので、立ち上げ時はドアや灰受けを少し開けて空気の供給をアシストすれば問題ないのだけどネットに乗っている記事を信じて理論構築するというのは非常に危険だと言うのが私の意見。
燃費に興味が無くなった
以前まで長時間燃焼に興味が有って色々テストをしていましたが、今は殆ど興味がありません。
なぜなら自分の中で一つの理論体系が出来上がり、長時間燃焼を追い求めるのは全体の一部だけにフォーカスする行為だと考える様になったからです。
では、どうすればゆっくり燃焼するかと言えばズバリ
炉内を流れる空気の流れをゆっくりにする
もうこの一言に収束します。
あと別の方法で割りばしみたいなめっちゃ小割を大量に作り、小さな火力でちょろちょろ燃焼する方法もあるけど、薪の燃焼量=暖かさなので、ゆっくりちょろちょろ燃焼しても効果を体感できる住宅のみ有効なアプローチなので適応範囲に制約があると思ってます。
話が脇にそれてしまったけど、燃焼室の気流をゆっくりにコントロールした状態で煙すらしっかりと燃やし尽くす構造を開発するのにヒミエルは最適な教材でした。
おそらくクリーンバーンだけしか作ったことが無ければ現在の理論体系に到達する事は出来なかったと思います。 なぜなら、構造の違いが理由の出力特性の違いや炉内に設置する材質により本体が同一でも燃焼特性が大きく変化する事を理解する事が難しかったと考えるから。
そのあたりの条件を踏まえて今回もいい感じに仕上がるよう設計しているんですが、すべては希望的観測で有り実際に燃やしてみないと何も断言できないので今月中の完成を目指してます。
なるべくシンプルな形状を目指して設計したんだけど、全くの初回制作と言うのは作りながら考える部分が多くて作業ペースが牛の歩み。しかし、そんな経験こそが開発の底力を上げてくれるので焦ることなく各パートをしっかりと押さえて行けば良いと考える。