消耗部品を交換しないと性能は維持できない
富山の現場を無事に終えることが出来、現場を出たのがお昼12時過ぎ。
ホテルへチェックイン出来るまでしばらく時間が有ったので、溜まった洗濯物を洗うべく現場近くのコインランドリーへ行き洗濯乾燥が完了するまで小一時間喫茶店でゆっくり過ごす事に。
アイスコーヒーとクリームチーズケーキを頼んで席に座るとそこには「ボラヤンストーブ」が設置されているではありませんか。
僕が薪ストーブを創業したころ、このストーブが欲しかったんだよね。
燃焼室の周囲にパイプを巻き付けた唯一無二のデザイン。
天板で料理なぞ1mmも考えていない、暖房に特化したどこか車のエンジンを連想させる外観におじさんのハートは釘付けでした。
そして実物を見るのは初めてだったので店主に了解を頂き内部を見ると、どっちかと言えば旧式のシガータイプを採用している燃焼システム。
確か基本設計は長い事変わっていないので昔のアプローチなのは納得が行きます。
しかし、目の前の光景に若干の違和感を感じたので注意深く確認すると…バッフルがさびて消失してました。
バッフルとは何かと言えば、炎が煙突へ直接逃げて行くのを邪魔する板の事で、バッフルが熱気を滞留する事で煙を燃焼する高温を発生させるだけでなく暖房能力の向上にも関与する超絶重要部品。
極論すれば、どんなに高級な薪ストーブで有ってもバッフルが無くなってしまえば単なる鉄の箱で焚火をしているのと同義。
多分だけど、薪を燃やしても大して暖かくならないからジャンジャン薪を投入する非常に燃料消費が多い状態だと想像します。
なので、店主へ現状を説明して部品の交換をお勧めしました。
私に修理可能でしょうか?と質問されたのでもちろん修理は可能です、しかし部品加工が必要になる場合を考え本体を姫路の工場へ発送する必要が有り往復の送料が部品代金を大きく超過すると思うので、販売店さんが廃業されているのであれば現在の代理店へ相談する事をお勧めしました。
薪ストーブって永遠に使える道具でもなく、熱による劣化で部品交換が必要になってくるのでどこで部品を入手できるかは重要な要素の1つ。
ショップオリジナルで海外から格安とは言っても20~30万円台の薪ストーブを輸入販売している事例もありますが、部品は製造中止から数年で在庫がなくなるし、お店が廃業すると部品の入手すら出来なくなるリスクを認知しておくべき。
私自身が海外製ストーブを使って欠品に直面したならば、新たに同じ機能の部品を作る事も可能だけど一般の人は不可能なので最悪は運用が出来なくなるまで使って廃棄するのが一番合理的かもしれません。
今回の店主さんは購入店が廃業されていたので、知人友人を頼って現在もボラヤンを取り扱っているお店に修理を依頼するそうです。