ヒミエルストーブ

 メルマガ登録はこちら

蓄熱ストーブのドア制作

 
この記事を書いている人 - WRITER -

先週、大まかな本体設計は完了したので正式な金属部品の制作に着手。

今回はデザインに悩みました。

蓄熱ストーブはレンガを積み上げるので、本体の外観は長方形。そして一般的な鉄工所の考えではドアもアングル等を利用して四角いドアを作れば悩む事なく簡単に完成する。

でも、デザインの面から考えると四角い線が連続すると単調な見え方になるので丸い曲線をどこかに追加することで柔らかさを演出することが可能に。

この考えから作った形がKD01。

本体が長方形だから、わざとドアの角を丸くして見え方のリズムを変えてます。

ドアって結構奥深くて、形だけでなくガスケットを保持する溝を備える事がハードルになります。

そもそもガスケットが必要かどうかも製作者の感性なので、気密なんて必要ないよ!と考えることも間違えではありません。 しかし私は空気の流れを設計通りに制御する方が好きなので、ドアからの吸気を減少させるためにガスケットを取り付けます。

そしてガスケットを取り付ける事がデザインの制約になるのです。

平鋼板にガスケットを接着するだけの製品も世の中にはあるのですが、その場合鉄板とガスケットが接触するのは1面だけなので保持力が弱いしガスケットが摩耗すると脱落する恐れがあります。

対策として、溝を作り側面も含めた3面接着でガスケットを保持するのが良いのだけど溝の構築がネックとなる。 

長方形のドアの場合4方をベンダーで曲げて内部に溝を作ると良いのでハードルは低いのだけど、角にRがある場合ベンダーを利用すると組み付けと仕上げに手間がかかるので鉄板を加工して溝を作ります。

色々試した結果今は外注先にお願いして、12ミリの鉄板をフライス加工してガスケット用の溝を作っているのですが、昨今のインフレが厳しく高コスト。

長々と理由を述べたけど、話をまとめると「デザインを優先すると、制作の手間が大きく増える」という相反する課題に頭を悩ませていました。

悩んでも状況は変わらないので、最初に作ったサンプルを参考にして量産試作1号が完成。ドア枠の寸法やリブの隙間、吸気量など一般の人には分からない部分まで考え抜いて作ったドアなのだけど実際に使ってみるまでは成否がわからないので設置が楽しみ。

本体はすでに分解したので、あとは天板を作り塗装を終えればいよいよ制作に着手。7月中の完成を狙っていたけど少し遅れそうな気配。

この記事を書いている人 - WRITER -

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Copyright© himiel stove , 2025 All Rights Reserved.