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製品の無償保証

 
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秋にレンガ用スライドカッターを市内の工務店さんへ納品したのですが、納品した後になって水を掛けながら運用するとギアボックス内部が浸水してあっという間に破損してしまうと言う事が判明しました。

顧客へ納品した製品で対策を検証する訳には行かないので、先ずは自社で使用している同様の装置で防水対応と効果の検証を行ってその後お客様へ連絡の上無償で防水対策を行う計画を立てました。

自分で使用する防水対策済のカッターは良い感じに運用できることが判明したので、本来の目的である顧客の装置を改良すべく電話にて連絡をすると、先方も私の意図を直ぐに理解して下さったので電話の翌朝に装置を引き上げに行きました。

 

自分の装置で分解手順は学習済なので、迷うところなく速やかに分解できました。モーター側を分解する理由は刃物交換の時に回転をロックするシャフトから水がギアボックスへ侵入するので、シャフトを撤去してシリコンで穴を塞ぐためです。

ひとつだけ気を付ける事が有って、モーターを分解する時はカーボンブラシを一番最初に取り外さないと破壊する事になるのでご注意あれ。

ベアリングも通常版だと水が浸水するので、樹脂カバーのベアリングに交換します。インナーレースの勘合が良い感じで仕上がっているのでギアプーラーを持っていなければ取り外しは難儀するでしょう。

ギアを洗浄した後はプレスで交換用に準備していたベアリングを圧入します。 プレスが無ければ角鋼とハンマーで叩き込むのも良いのだけど。軸に打痕をつける可能性があるので工場で作業する時はプレスを使います。

ここまで完了すれば、あとは組み付けるだけなのでグリスをたっぷり入れて復元します。

あとはアウターレースの隙間から水が入らない様、うっすらとシリコンを塗ってカバーを取り付ければ完成です。

テストで違和感を検出

全てを組み込み、電源を繋いで動作確認をすると音が自社所有のカッターと比較して理由は不明だけど何だか甲高かったのです。

ギアに不具合が有るのか、ベアリングの組み付けに異常があったのかなど、想像できる原因は沢山あるけど真の理由は分からないので、とりあえず自社のギアと交換して音を比較してみる事にしました。

そして交換した後テストしても作動音に変化は無かったのでギアアタリが個別に異なるのかな?と推測して作業を終了しました。

作業終了後、お客様へ納品してすべてのミッションは終了です。

今回の作業内容は、納品した後気づいた不具合をお客様へ黙っていてもバレないし、本来の目的外使用なので仕方ないですね。と言ってしまえばそこで終わりの話なんだけど、そんな状況を放置すると自分の心に刺さる小さなトゲが消えないんですよね。

不具合の詳細を伝えて、修理する一連のながれは時間を費やすけど消えない違和感を消すには必須の作業だし、この姿勢を変えるくらいならアルバイトにでも行って決められたルーティンをこなす方が良いですね。

 

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